山登りやハイキングで必携品といってもいいヘッドライト。トレランにおいても必ず持っておきたいアイテムです。
今回はトレラン用にはどのような性能が必要なのか、またどのような種類があるのか、解説と紹介をしていきます。
トレラン用のヘッドライトって
登山用と分けた方がいいのかな?
登山用でも使えるよ。
でもあまりにもトレラン向きでないなら、
トレラン専用で用意した方が便利だよ。
どんなライトが良いのか整理してみようか
この記事を読むと
・トレラン用と登山用を兼用できるか?
・トレラン用のヘッドライトにおすすめなもの
がわかるよ
商品名 | メーカー | 最大ルーメン | 重さ | 防水性能 |
NEO10R | レッドレンザー | 600 | 179g | IP54 |
トレイルランナーフリー | シルバ | 400 | 117g | IPX5 |
アイコン700 | ブラックダイヤモンド | 700 | 236g | IP67 |
トレイルマスター | マイルストーン | 850 | 180g | IPX5 |
トレランでヘッドライトはなぜ必要か?
トレランにヘッドライトが必要不可欠な理由は次の2点。
- 山では常に不測の事態の可能性があり日中下山できるとは限らないため
- トレランのレースでは日の出前、日没後も走り続けることが多いため。
トレランに限らずですが、山では予想以上に行動時間が長引き、下山予定していた時間に間に合わなくなることもあります。
季節よっては日没もあっという間。日が暮れてしまえばライトなしでは何も見えませんので遭難の危険性もあり得ます。そのため日中のみの行動予定であっても、ヘッドライトは必ず携行しておきたいアイテムです。
次にレースの場合ですが、トレランのレースには長時間・長距離にわたるのものも多く、比較的短いレースでもロードのマラソンなどのに比べ時間がかかるためスタートが日の出前ということもよくあります。
100マイルの様な長いレースですと、夜中も動き続けますので、レース出場のレギュレーション(持ち物や行動のルール)でもヘッドライトは必携品になっています。
トレランのレースに出場してみたい、いずれ長いレースで活躍してみたいという場合は、特にヘッドライトは必須アイテムです。
トレランや山登りでは、両手が自由に使えることが重要
なので、ハンドライトではなくヘッドライトを持って
おきましょう。
登山用のヘッドライトと兼用はできるか?
山登りの経験者がトレランを始める場合、登山用のヘッドライトをすでに所有している場合が多いかと思います。
せっかくなので手持ちのヘッドライトを転用したいですね。登山用のヘッドライトはトレランに兼用できるのか?できる場合とできない場合を想定してみます。
兼用できる場合
登山用のヘッドライトは多くの場合100ルーメンから200ルーメンほどの明るさが多いです。この光量は夜中行動し続けることは想定していませんが、条件によっては夜のトレランでも使用可能です。
その条件とは次の4点。
- 日中走り慣れている山である
- 街から近い低山である
- 登山道がしっかり整備されて明瞭である
- 数人で一緒に走る
上記の条件を満たした上で、短時間(1時間程度)であれば、登山用のヘッドライトで兼用が可能でしょう。
あとは、夜のトレランでは、スピードは控えめで走りましょう。
グループから逸れる人が出ないように気をつけるのも大切です。
兼用できない場合
登山用のヘッドライトの兼用では心もとない場合は次の3点。
- レースなどで長時間の夜間行動をする場合
- 他の選手はいるにせよ単独でトレイルを走る場合
- それなりのスピードで走る場合
レースで長時間の夜間行動をする場合、レース中周りに他の選手がいない場面もあります。登山用のヘッドライトでは光量不足で単独で走ることを考えると視界の確保に難があります。
トレラン用のものは光量も登山用より強力になっています。
また、登山用のヘッドライトに比べ、トレラン用のものは走ることを想定して作られているので、バランスもよく、走ってもブレにくい作りになっています。
ある程度のスピードで走る場合はやはりトレラン用のヘッドライトが必要です。
トレランで使うヘッドライトの選び方
明るさ(ルーメン)
ルーメン(lm)とはLEDの明るさのことです。値が大きいほど明るいということ。アウトドア用ヘッドライトでは50ルーメン程度から900ルーメンの高性能のものまで様々なものが存在します。
トレランでの使用には300〜400ルーメンがよく推奨されます。しかしこの光量は中級以上のランナーであれば十分走行可能ですが、初心者の場合はちょっと心もとないと思います。
初心者の場合は600ルーメンぐらいの性能のものがおすすめです。このスペックならかなり視界が明瞭に確保できますので、比較的安全に夜のトレランを楽しめます。
防水性
トレランに使用するヘッドライトには雨に耐える程度の防水性は必須です。山では突然雨に見舞われることもしばしば。防水性能のないものでは、雨の中視界を確保できないので危険です。
基本的にアウトドア用のヘッドライトは防水性能を付加されていますが、防水性能には0〜8で表される等級があります。
例えばIPX8と記載されていれば防水性能は8。完全に水没しても内部に浸透しないレベルです。
トレラン用にはここまでのスペックは必要ありませんが、IPX4(飛沫に耐えられる、つまり雨に降られても大丈夫)程度のレベルのものを選ぶと安心です。
下に防水規格IP表示の表を載せておいたので参考にしてください。
ちなみにIPX8のXに数字がある場合は防塵性能を表していますが、今回は省略しています。
水の侵入に対する保護 | 0〜8等級まで | |
テスト方法 | 保護の程度 | |
0 | テストなし | 水の侵入に対して特には 保護されていない |
1 | 200mm の高さより 3 ~ 5m/ 分の水滴、10 分間 | 垂直に落ちてくる水滴に よって有害な影響を受けない |
2 | 垂直に落ちてくる水滴に よって有害な影響を受けない | 垂直より左右 15°以内からの 降雨によって有害な影響を受けない |
3 | 200mm の高さより 60°の範囲 10L/ 分の放水、10 分間 | 垂直より左右 60°以内からの 降雨によって有害な影響を 受けない |
4 | 300mm ~ 500mm の高さより 全方向に 10L / 分の放水、10 分間 | いかなる方向からの水の飛沫に よっても有害な影響を受けない |
5 | 3mの距離から全方向に 12.5L / 分・30kpa の噴流水、 3 分間 | いかなる方向からの水の 直接噴流によっても有害な 影響を受けない |
6 | 3mの距離から全方向に 100L / 分・100kpa の噴流水、 3 分間 | いかなる方向からの水の強い 直接噴流によっても有害な 影響を受けない |
7 | 水面下・15cm ~ 1m、30 分間 | 既定の圧力、時間で水中に 没しても水が浸入しない |
8 | メーカーと機器の使用者間の 取り決めによる | 7 等級以上の厳しい条件下で 有害な影響を受けない |
装着のしやすさ
装着のしやすさの観点からヘッドライトを選ぶ場合、大切なのは次の2点。
- バランスが良くフィットしてブレないこと
- キャップやバフの上からでも装着できること
トレラン用のヘッドライトは、走行中外れてしまわないよう、伸縮性のあるバンドで締め上げる構造になっています。また、登山用との違いでは、ライト部とバッテリー部が別になっていているモデルが多いです。
装着時にバッテリーが後頭部に来る作りになっていて、比重が偏ることがなくバランスの取りやすい作りにすることでより走行中のブレを軽減してくれます。
また、トレランでは、キャップをやバフを装着して走ることが多いのでその上から装着できることも重要です。基本的にトレランで使用するヘッドライトはそれらの上から装着が可能です。
キャップに装着する場合、キャップのつばは短めのものの
方がライトを邪魔しないのでおすすめです。
給電方法
給電方法には主に、乾電池式のタイプとリチウム電池などの充電式電池の2種類があります。
乾電池式のものは電池切れのたびに買い替えや交換が必要になりコストと手間はかかりますが、予備が準備しやすいので、走行中の電池切れにも対処しやすい利点があります。
充電式の場合は充電さえしておけば、基本的に電池を買い換える必要がなく使い続けることができますのでコストと手間が減らせます。
反面充電には時間と電源が必要なので、途中で電池を切らしてしまった場合、対処がしにくい点もあります。
ただ受電式の場合も予備の電池をフル充電で持っておくようにすれば、電池切れにも対処は可能です。
どちらか一つ選ぶのであれば、充電式のものがおすすめです。
軽さ
長時間山道を走るトレランにおいて装備品の軽さはとても重要です。特にヘッドライトを使って夜間走る場合は長距離、長時間の場合が多いので尚更です。
理屈では軽ければ軽い方がいいのですが、軽すぎると点灯時間が短かったり、光量が足りなかったりと性能が削られている場合がありますので、性能と軽さのバランスが重要です。
トレラン用のヘッドライトは軽量高性能なものが多く販売されていますが、重さの基準としては、100〜200gぐらいまでを基準にするのがバランスが取れていいと思います
トレランでおすすめのヘッドライト
レッドレンザーのヘッドライト「NEO10R」
大容量のリチウム電池を採用することで、最大600lmのパワーモードでも10時間もの照射時間を誇るNEO10。
バッテリーを後部に縦型に配置することによって、バランスとフィット感も良好。
防塵・防水性もIP54と申し分なく、重量も179gとランナーの負担にならない軽さ。
明るく・軽く・長持ちする初心者にもおすすめの使いやすいライトです。
シルバ(SILVA)のヘッドライト「トレイルランナーフリー」
ヘッド部分とバッテリー部分を繋ぐコードをバンドに内臓することで、分離型ヘッドライトの弱点であったコードの煩わしさからランナーを解放。
シームレスで美しいデザインになっています。最大400lm、MAXモードで10時間稼働、防水性能もIPX5と申し分無し。
バッテリー部は充電池と乾電池兼用になっていて、汎用も高いヘッドライトです。重量も117gと軽く死角のないヘッドライトです。
ブラックダイヤモンドのヘッドライト「アイコン700」
最大700lmを誇る大光量モデル。MAXモードで8時間稼働可能。給電方式は乾電池式。注目すべきはIP67という防塵・防水性能。
水没しても壊れないというスパルタンな防水性能は流石にブラックダイヤモンド。
どのような過酷な天候にみまわれても輝き続ける頼もしいパートナーになってくれるでしょう。重量は236gと少々重めながらバランスの取れた使いやすいヘッドライトです。
マイルストーンのヘッドライト「トレイルマスター」
最大850lmの大光量の性能もさることながら、白色LEDと電球色LEDをワンタッチで切り替え可能なシステムが、常に状況の変化する夜のトレイルで着実に視界を確保してくれます。
またバンドの調整システムがダイヤル式になっており、フィット感の調節がグローブを嵌めたままでも簡単です。
防水性もIPX5と申し分無し。重量も180gで十分軽い。国内メーカーとして多くの有名トレイルランナー達に愛用されているヘッドライトです。
まとめ
紹介したヘッドライトはどれもそれぞれ素晴らしく、甲乙つけがたいですが、初心者の最初の一本と考えれば、レッドレンザーNEO10がバランスが取れていておすすめしたいです。
最大600lmの光量、MAXモードで8時間の長時間稼働、リチウム充電池一本で稼働する便利さ、防水性能も申し分なく、一本もっておけば長く使い続けられるヘッドライトです。
ヘッドライトを身につけて夜のトレイルに入ってみてください。普段の見知ったトレイルが未知の世界に感じられることでしょう。
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