スリーピングマットはテント内、シュラフの下にひくマットです。
テント場は全くの平らではないことがほとんどなので、
マットを使うことで地面のでこぼこによる寝心地の悪さを軽減することができます。
マット選びを間違えると、十分な睡眠がとれずに、翌日の怪我リスクが増えてしまったり、
十分なパフォーマンスが発揮できない可能性がある。
この記事を見ているあなたは今からテント泊のマットををどれにしようか迷っているはず。
あなたのテント泊の満足度に大きく関わる道具だからこそ、「絶対に失敗してほしくない!」という思いから、実際に山や店頭で試しておすすめできるものを選定しました
おすすめのマットは、以下の3つ
・初めてのマットなZライトソル
・寝心地重視ならプロライト
・軽さ重視ならテンサー
この記事では無雪期のマット選びを紹介しています。
雪山テント泊のマットはこちらをご覧ください。
本当に初めてのテントマット選びの場合は、以下の動画が参考になります。
私が失敗した経験から提案する「10分で分かる初めてのテントマット」です。
Youtubeの方では登山道具の選び方に役立つ情報をまとめていますので、
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テントマット選びの体験談・口コミ
※クラウドワークスにて登山者限定で60件のアンケート結果「【登山好き限定】買って良かったテントマットを教えてください」というアンケートをとりました(調査期間は2023年05月14日~2023年05月17日 )。
圧倒的に人気だったのがサーマレストのプロライトとZライトソル
プロライトは寝心地最強だし、Zライトソルは耐久性も高くオールシーズン使えるので、
人気の高さも頷けます。
安価モデルの中ではzライトソルそっくりで
耐久性は低いけど安いモザンビーク(Mozambique)のキャンプマットが高評価
主な口コミ
Zライトソル:似たようなマットはたくさんあるが、耐久性が高く、長く使うほどに満足できる
プロライト :厚みがあるので、地面の状態が悪くても寝心地が最高。
見た目は大きく見えますが、収納性も優秀。
Mozambique:寝心地がよく快適だが、少し固くへたりやすい。
ただ人気モデルに比べてかなり安い。予算確保できないなら一番におすすめ。
Zライトソルがレギュラーで410g、下記の安価品だと395g、使用感はZライトソルの方が上ですが、費用を抑えたいなら安価品を考慮に入れましょう。
マットの種類と選び方
3種類あるうち、人気度はどれも同じくらいと言われているよ。好みや性能で選んでみよう!
フォーム材マット
ロールタイプで丸めて持ち運べるタイプや、 折りたたみ式のものがあります。
かさばりますが、値段が安く、耐久性が高いものが多いです。
長く使えるものを使いたいならこちらがおすすめ。
自動膨張マット
内部にクッション材があり、 バルブを開いて放置すれば膨らみます。
ただ完全には膨らまないので自分で膨らませる必要があります。
穴が開くと致命的です。 他2つの中間なので、どっちつかずになりがちです。
ですがこれを試せば、自分がどちらに向いているかを確認できるので、最初の1つにお試しとして使用するには良いと思います。
エアー注入マット
チューブ内がただの空洞のものは、冷たくなりがちです。
断熱材が入っているものやシートで仕切りがあるものは、 かなり暖かさがあります。
寝心地も優れたものが多いですが、難点として 穴が開くと致命的です。
値段は高いが、軽く暖かいものが多いです。
耐久性を補うために薄いフォーム材タイプと重ねるのもおすすめです。
サイズはどうやって決める?
サイズはモデルによって異なりますが、レギュラー・ミディアム・ショートといったサイズ展開があることが多いです。
始めてのマットは、必ずレギュラーかミディアムサイズを選びましょう。
最終的に軽量化を目指したいとしても、初回に身長より極端に短いサイズを選ぶと扱いが難しく苦労しました。
レギュラーサイズがおすすめです。
どうしても短いサイズがいい人は、120cmや140cmなど身長より短めもマットは、頭にはザックや着替えをおいて枕にすることで足りない分を補えます。
ただ寝心地が悪くなるので、登山用の枕を別に用意しておくと安心です。
また、足元の長さの足りない部分はザックをおいて足を突っ込むといった方法もあります。
私は足元が冷えると眠れないので、肩から足元の長さを確保するようにしています。
軽さも大事ですが、春~秋のテント泊も想定しているなら薄すぎるマットを選ぶのは避けた方が良いです。
R値という暖かさが記載されているものは数値を参考にできます。
よくある登山マットの失敗
初めてのマットに自動膨張マットやエアマットの単独使用はおすすめしない
私が購入した初めてのマットは、自動膨張タイプのマットでした。
結果から言うと、涸沢の紅葉テント泊に出掛けて見事にマットに破れが発生しました。
十分に膨らまなくなり、結果震える夜を過ごすことになりました。
そう、よくある失敗とは、自動膨張タイプ・エアー注入タイプマットの破損です。
テント泊になれていないと、設営に適切な場所が確保できなかったり、扱いが雑になったりして、耐久性の低い自動膨張タイプ・エアー注入式のマットは破損することがあります。
なので、私は初めてのマットには、フォーム材を選ぶことを推奨しています。
ただし、ハイシーズン以外の寒い場合は、フォーム材+自動膨張タイプ or エアー注入など、合わせて使うことをおすすめしています。
4つのマットの寝心地を試してみた
これだけだとタイプによるマットの特性がわかりにくいと思ったので、4点ほど寝心地を調べてみました。
検証の際には友人にも寝心地をチェックしてもらい、同じような結論だったので、人による差もそれほどないと思います。
今回検証に使ったのは、以下の4点です。
フォーム材: サーマレスト:Zライトソル レギュラー
エアー注入 : NEMO(ニーモ・イクイップメント) テンサー レギュラー
自動膨張式:サーマレスト:ファスト&ライトシリーズ プロライト
エアー注入:シートぅサミット: ウルトラライトインサレーションマット
寝心地1位は、サーマレストのプロライトでした。反発が強くもなく弱くもないという絶妙の加減で寝心地で選ぶならこちら1択です。
プロライト>>その他マットという印象です。
次に寝心地が良く感じたのは、Zライトソルです。というのも私はエアーマットの高さが出るのが苦手なのもあるからです。
横幅が狭めなので寝返りで落ちるんですよね。このあたりは好みが出ます。
小柄な女性の方は、ニーモのテンサーの方がいいと言っていました。
ニーモのテンサーとシートぅサミットと ウルトラライトインサレーションマット は、寝心地の差は感じませんでした。
テンサーは空気を抜くときに破れないか心配になる点、 ウルトラライトインサレーションマットは膨らませすぎると捻じれて滑り落ちやすく点が気になりました。
8分目くらいの空気で使うべきですね。
zライトソルとテンサーは同じくらい売れているようなので、エアーマットの空気漏れリスクを避けるならzライトソル、コンパクトさを重視するなテンサー、寝心地重視ならプロライトだと私は考えています。
おすすめのマット
商品名 | メーカー | おすすめ度 | サイズ(横*縦*高さ) | 収納サイズ | 暖かさ | 暖かさ目安 | 重さ | 価格 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Zライトソル レギュラー | サーマレスト | 初心者向け1位 | 51×183×2 | 51×15×13 | 〇 | R値2.6 | 410 | 〇 |
Zライトソル ショート | サーマレスト | 上級者向け | 51×130×2 | 51×10×14 | 〇 | R値2 | 290 | 〇 |
プロライト | サーマレスト | 寝心地最高 | 50.8 X 182.9 X 2.5 | – | 〇 | R値2.4 | 481 | △ |
テンサーレギュラー | ニーモ | 初心者向け | 51×183×8 | φ7.5×20cm | 〇 | 使用温度2~7℃ | 345 | △ |
EXPマット | エバニュー | 上級者向け | 49×65×0.9 | – | × | – | 50 | ◎ |
ウーバーライト スモール | サーマレスト | 上級者向け | 51×119×6.4 | 15×8cm | 〇 | R値2.3 | 170 | △ |
ウーバーライト レギュラー | サーマレスト | 初心者向け | 51×183×6.4 | 15×9cm | 〇 | R値2.3 | 250 | △ |
キャンプマット | キャプテンスタッグ | 初心者向け | 56×182×2 | 13×12.5×56cm | △ | – | 270 | ◎ |
初めてのマットは、サーマレスト Zライトソル一択
結論として、初めてのマットに選ぶべきなのは、「サーマレスト: Zライトソル レギュラー 」です。
一番売れているマットで登山者にもキャンパーからも評価が高く、私もかなり愛用しています。
三段階評価で言うと、耐久性:☆☆☆、保温能力:☆☆、寝心地:☆☆くらいでしょうか。
保温能力や寝心地は、より高価なエアマットには劣ります。
ですがこのマットを最初のマットに選ぶと、サイズを試行錯誤できます。
適切なサイズがイメージできていない初心者に最適なんですね!
そういうことです。しかも1番人気のマットなので、情報を入手しやすく、購入後も困ることが少ないのです。
私は120cmくらいの長さになるようにカットしています。夏は120cm、春秋はカットした部分を使って140cmくらいで落ち着きました。
-10度以下となる冬は、この上にシートゥサミットのエアマットを重ねて使っています。
余った部分も日帰り登山のヒップマットとして使っています。
冬季はエアー注入式+フォーム材といった使い方もできるので、無駄にはなりません。
付け加えるなら、フォーム材タイプは単純な作りなので、他の2タイプに比べてずっと安いです。
フォーム材:サーマレスト:Zライトソル レギュラー(410g)/ショート(290g) R値2.6
言わずと知れたNo1人気!これを選んでおけばバッチリ!
少しかさばるので、実際に寝てみてあまるようならカットしましょう。
最初から130cm未満しかいらないとわかっているなら、ショートを選択するのもありです。
ショートを購入された方より
180cmに続いて2枚目の購入です。保温クッション性能は抜群です。夏場の低山はアルミ面を下にして、秋冬や高山で寒い時はアルミ面を上にすると体温が反射して快適です。このサイズは180cmより数枚少ないので、2枚サイズで収納すると、ザックの内側にクッションのようにぴったり収納できて便利です。
amazonレビューより
もっと詳しくという方は、以下もご覧ください。
寝心地重視なら、サーマレストのプロライト
自動膨張式:サーマレスト ファスト&ライトシリーズ プロライト 481g R値2.4
暖かさはここまでで出てきたどのマットよりも上で、マットの厚み、横幅すべてが完璧です。
その分値段も高めですが、寝心地重視ならこれがベストな選択。
フォーム材と合わせて使うと耐久性も安心。小枝や岩場のないテント場ならそのままでok
登山者へのアンケートではサーマレストのzライトソルを抜いて1位。
その寝心地の良さから高い人気を誇るマットです
寝心地重視で小柄な方、コンパクト重視ならテンサー
エアー注入式:ニーモ・イクイップメント テンサー 2~7度 300g前後
最も売れているエアマットの一つ。収納サイズも小さく、初めての夏の縦走におすすめ。
難点と言えば高いということと、軽さゆえに耐久性が気になることなので、雑な人には不向きです。
丁寧に扱いましょう。特にショートサイズのコンパクトさは驚異的です。
>>【使用感レビュー】ニーモのテントマット「テンサー ショート」は240gの超軽量マット
ショートならゾアショート、レギュラーならテンサーがおすすめ
睡眠は大事なので、初めてのマットならレギュラー一択です
軽さ重視なら、エバニューのEXPマット
フォーム材:エバニューEXPマットUL65 50g
サーマレストzライトソルに比べて快適性が低いですが、その分軽いです。
春や秋はやや地面からの寒さが感じられますので、ハイシーズン以外も使うならやや性能不足となることを承知で買うならありです。
私がこれを使うなら、ハイシーズン用に2枚買って組み合わせ、枕は防水スタッフバックに着替えを入れたものを使います。
ウルトラライトハイクにはおすすめです。
50gは凄い!
風で飛ばされそうな重さだね。
テント設営中に外に出していて飛ばされないように気を付けましょう。
寝心地と軽量さを両立するなら、長さ119センチで170gと軽いウーバーライトも人気
価格の安さだけで選ぶなら 2000円ちょっとのキャプテンスタッグマット
キャプテンスタッグ(CAPTAIN STAG) キャンプマット 1人用 レジャーシート EVA 270g
とにかく安い!お試しに使うならありかも
保温性能は低めですが、夏なら気にならないと思います。エアマットと重ねて使うのにもありです。
展開も広げるだけで一瞬で、安いので雑に使っても抵抗なく使えます。
これだけ見てもまだ決めきれない人に他のマットも紹介
シートゥサミット:ウルトラライトS.Lマット R値3.1
シートゥサミット:ウィメンズウルトラライトS.Lマット[480g] R値3.1
サーマレスト:Zライトソル よりも暖かく、秋口から冬期にも使用できます。 丈夫さは劣りますが、かさ張りにくさはこちらが上です。
ただ横幅が狭いため、寝袋の中に使う用途で特におすすめ。
寝袋の外に出して使うなら、横幅の広いニーモのテンサーなど、他の人気マットの方が寝心地が良かった。
寝心地は最強じゃないけど、コスパはかなり良い
人気モデルではないけど、個人的には結構好きです
>>【-10度テント泊で余裕】シートゥーサミット ウルトラライト インサレーションマットは、寝袋内に入れて使うのに最適なマット
質感重視でハイシーズンのみならゴザマットはおもしろい
フォーム材:エバニュー ゴザマット180 500g
素材が麻という珍しいマット。質感にこだわるならアリ!?
さらさらの麻の快適さで蒸し暑い時期も乗り越えられそうです。
残雪期や初冬の保温性が欲しい方におすすめのマット
雪山テント泊でのマット選択については以下にまとめています。
エアー注入:ビックアグネス:インシュレーテッド AXL エアー 301g 約-9℃~2℃
体温を反射するヒートリフレクティブパネルをエアチューブの中に配置することで、ー9℃まで対応しているそうです。
厚みがあるので、寝心地がよさそうです。
ニーモ:テンサーインシュレーテッド マミー M/S 390g -12~-7度
クライミット:イナーシャオゾン 345g
冬季テント泊にこれとフォーム材のマットの2枚重ねで対応できるからです。重さも軽く、値段も手ごろです。
暑い時期には軽いし枕もあるし最高でした
但し寒さには弱い。
夏用マットだから、-14度でzライトソルと重ねて厳冬期用寝袋で検証したけど、
地面からの底冷えがひどすぎてキツかった。だから夏専用と考えて買うようにしてね
>>【評判・口コミ】KLYMIT(クライミット)のおすすめマット
最初、試しに部屋で使ってみました。空気を入れすぎると体がコロコロして寝心地が悪かったですが、空気を少しずつ抜いて塩梅のいいところで止めるといいです。丁度、バルブが右側の顔の辺りに来ますんで、空気を抜きすぎた時はすぐにバルブから吹き込めるところがいいですね。畳むとコンパクトになりますし、キャンプツーリングにはもってこいです。修理用のパッチも付いていました。今までの嵩張るスリーピングマットはもう持っていく気がしません。
amazonレビューより
シートゥサミット:イーサライト XTマット レギュラー 425g R値3.8
ニーモ:テンサーアルパイン レギュラー マミー 475g -29~-23℃
番外編:エアーポンプ
サーマレスト:ネオエアーミニポンプ
65.2gで6600円。これがあればエアー注入式でもらくらく空気が入れられます。形が合えば他のメーカーでも使用できそう。
FLEXTAILGEAR TINY PUMP携帯式エアーポンプ 1300mAh
とても小さく持ち歩きやすい電動のポンプです。重さは80gと軽く値段も安いので、お試しにおすすめ。
メーカー別のマット特集
マットの収納方法
このようにフォーム材対応は外付けすることも可能ですが、実は良くない例です、
外付けすると予期せぬ場所で引っかかり、転倒や滑落の原因となることがあるので、可能な限りザック内に収納するのが良いでしょう。
いかがでしたでしょうか。お気に入りの登山道具を見つけられたら幸いです。
マットを選ぶときは、寝袋の暖かさも合わせて考えるようにしてくださいね。
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