登山をしていると、ワークマンのウェアを着ている方を見かけることがあります。
それなりに着ている方が多いので、気になりますよね。
中には、ワークマンのウェアを購入しようと、検討している方もいるでしょう。
でも、価格も安いし品質など大丈夫なのかな?と思っている方も多いはず。
今回はそんな、ワークマン登山について記載していくので、検討している方は参考にしてくださいね。

価格や品質だけでなく、安全性の面からもワークマン登山について記載していきます。
読み飛ばしガイド
・ワークマンで登山はできる。ただし、どのような場合に危険かは把握しておくこと
・予算が許すなら登山専門ブランドの方が圧倒的におすすめなのは間違いない
・予算が限られているなら、デメリットを理解したうえで、ワークマンなど安価商品を取りいれるのは合理的
結論:ワークマンで登山はできるけど、危険なケースはある
結論として、ワークマンで登山はできます。ただし、状況によっては避けた方が良いでしょう。
そして、この「状況によって避ける」というのは初心者にとって判断がつかないものが多いので、多くの場合は「ワークマンはやめとけ」と言われるのです。
「経験者がワークマンで登山をすること」と「初心者がワークマンで登山をすること」の危険度は大きく違うということです。
この記事では「どんなときにワークマン製品だと危険なのか」をできるだけわかりやすく解説します。
ワークマンで安全に登山ができるとは言えない理由
まずは、なぜワークマンでは安全とは言えないのかについて記載していきますね。
山の難度、時期、場所によっては危険度が高くなるケースがある
山の難度
まず、山の難度によって危険度が高くなります。
難度が高い山の場合、岩場や鎖場が多い場合が多く、その場合ウェアはもちろん、靴やザックなど身に着けるものすべてに、簡単に破れたり壊れたりしない耐久性が必要になります。そんな時、丈夫に作られた登山専門の用品と比べると、ワークマンでは不安があります。

登山用品は丈夫なだけでなく、リップストップという、破れやほつれ、摩擦に強い縫製を行った生地を使っているものがほとんどです。
登山時期
次に、登山時期によっても危険度に影響します。
まず、山ではどんな時期でも朝と昼、夕方で気温や天候が変わることが少なくありません。
そんな時は登山用の、雨や汗で濡れても乾きやすいウェアや、着心地が良く防寒性の高い機能的なウェアがとてもありがたく感じます。
特に冬などの積雪や残雪期の登山では、登山用のウェアや道具類の機能性がないと、命にかかわることも考えられます。

機能性の高い登山用のウェアや道具なら、どんな時期でも安心して使うことができます。
山の場所
山の場所も登山の危険度に影響します。
北アルプスはもちろん、中央、南アルプスなど日本のほぼ中央に位置するアルプス山脈は、ほとんどの山が標高3,000mに近い山です。
そうなると、登山口と山頂付近で気温が10℃以上違うこともしばしば。また、森林限界を超えて稜線に上がると、途端に強風が吹いているということもあります。
こんな時は、ワークマン登山では機能面などから安全とは言えません。ですが、登山専用のウェアや道具なら、丈夫に作られているのはもちろん、天候の変化にも強いので、安心して登山を続けることができます。

どんな状況でも快適に使えるのが登山専門メーカーの強みです。
性能が山専用ブランドと比べると劣っている
ワークマン登山が安全とは言えない大きな理由の1つが、性能や機能が山専用のブランドと比べると劣っている所です。
ワークマンの製品は、スペックだけ見ると登山専用のブランド品と、さほど変わらないように見えるモデルが多いのも事実です。
ですが、その性能がいつまでもつかの耐久性や、スペックに出ない使いやすさなどに不安が残ります。例えばドローコードで裾を絞れたり、マジックテープでサイズ調整ができたり、軽量化に手間がかかっているかなどです。
登山専用ブランドであれば、耐久性についてはよほどのことがない限り、数年使っても劣化するということはほとんどありません。また、使い勝手についても不満を感じることは少ないでしょう。

数字に表れない性能や使い勝手もとても大切で、山専用ブランドは安心して使うことができます。
製品ジャンルごとにどんなときに危険か考えてみる
ワークマン登山を行うときに製品ジャンルごとにどんな危険があるのか考えてみます。
ワークマンの登山靴
まずはワークマンの登山靴についてです。
登山靴として使えるミドルカットのトレックシューズアジムとローカットのトレックシューズエンリルがあります。
一見登山靴と変わらないスタイルですが、どんなところが登山に使うには危険か、以下にまとめました。

>>ワークマン:公式サイトトレックシューズアジム

>>ワークマン:公式サイトトレックシューズエンリル
どんなときに危険? :整備されていない登山道や、岩場で危険。
また、雨など悪天候になった時に危険。
登山専用靴と何が違う?:登山専用靴はソールを含め靴全体のしっかり感が違う。また、
防水性が高く、1日雨に降られても大丈夫。
ここで比較するのは初心者の定番靴として人気なキャラバンの「C1_02S」です。登山用品店で富士山登りたいんですと聞くと、店員さんがおすすめしてくる靴です。靴のしっかり感はもちろん、ゴアテックスを使っているので防水性もとても高くなっています。
ザック(リュックサック)
次にザックについてです。
登山に使えるワークマンザックには、防水デイバッグ、ジョイントバックパックなどがあります。
このザックについても登山時の危険性と、登山用ザックとの違いについてまとめました。

どんなときに危険? :木の枝に引っかかった時や、岩場などにこすったり、
ひかっかけた時の耐久性。
登山専用のザックと何が違う?:登山用のザックは引っ掛けや擦れに強いリップストップを
使っている。数年使っただけでは劣化しにくい。
比較するのは日帰り登山ザックとして大人気のミレーのクーラです。登山頻度が少ない初心者であれば、街中で使いやすいノースフェイスのリュックでも構いません。どちらも丈夫な生地を使っているのはもちろん、ザック自体の重さも1kg以下と軽くなっています。
レインウェア

次にレインウェアです。
天候が悪い時に着るレインウェアの場合、色々な危険が考えられます。
以下に記載していきます。

以前はおすすめできないモデルでしたが、
予算がないなら選んでも良いでしょう。ただし登山道具専門メーカーに比べると
重さはありますので、体力に自信がないなら避けた方が良いのは変わらずです
どんなときに危険? :雨が強い時や長時間の雨で浸水の危険がある。
調整機構が少なく、隙間が多く浸水の危険がある。
登山用レインウェアと何が違う?:登山用と比べて防水性が低い。フードなどに調整機構が
無い。収納サイズが大きく、重たい。
ワークマンと近い思想で設計されているのがミズノのレインウェア、費用を抑えるためにファスナー部分の機能性を抑えて安くしてあるので、予算で悩む人でも挑戦しやすいモデルです。
テント
ワークマンには登山で使えるテントもラインナップされています。
登山で使うテントに耐久性は必須。ワークマンテントの危険性は以下に尽きます。
どんなときに危険? :悪天候時に水漏れ等の危険。
山岳テントと何が違う?:山岳テントと比べると、耐久性や品質が低い。
やや重たいですが、フランスのスポーツ用品メーカー、デカトロンのテント。
風洞実験を行うなど、風の強い日本でも十分使えるモデルです。
寝袋
ワークマンには登山でも使えるダウンシュラフがあります。
ですがダウンの割合が低く、綿が60%使われています。保温力はもちろん、重いのがネックです。
どんなときに危険? :保温力が発揮できず、気温が低くなりがちな高山での使用は危険。
登山用の寝袋と何が違う?:登山用の寝袋は軽くてコンパクト、保温力が高い。
ナンガの化繊綿のモデルはコスパが高くておすすめ。3シーズン用は幅広い期間使えるので、初めて登山用の寝袋を購入するという方におすすめです。
ヘルメット

ワークマンのヘルメットの中でも通気口付きヘルメットは登山でも使えそうに見えます。

とはいえ登山用のヘルメットとはデザインがだいぶ違うので、
被っていると少し目立ちそうです
危険性については以下です。
どんなときに危険? :実際の落石に耐えられるか。
登山用のヘルメットと何が違う?:登山規格のEN12492などに通っていない
価格も安く、初めて購入するならマムートのスカイウォーカー3.0がおすすめ。重さは334gと普通ですが、蒸れにくいよう通気口も大きく、調整機構もしっかりしており、フィット感の調整もばっちりです。

ヘルメットはレインウェアや登山靴と違って、
ぱっと見でワークマンと分かるのであんまりおすすめできないかな
ワークマンはダサい?ダサいけどそれがいい
ワークマンのウェアや道具はデザイン的には、やや微妙なものが多いですよね。
最新の海外登山ブランドと比べるべくもありません。
ですがそんなダサい所が、登山を肩ひじ張って楽しむのではなく、自然体で楽しんでいる感じが出るのも事実。
ワンポイントでワークマンを使って、そんな『ユルさ』を楽しむのもアリですね。

危険にならない範囲でワークマン登山を楽しんでみよう!
次はワークマン登山で使ってみたい道具について記載していきます。
ワークマンの弱点を知った上で積極的に使いたい道具
ここでは、ワークマンの道具の弱点を知ったうえで、使っていきたい道具について記載していきます。
価格が安いワークマンを、ところどころに導入して、大事な所はしっかりと登山専門メーカーの物を使う、というのも良いですね。
帽子
ワークマンの帽子は、登山使用もアリです。
直射日光や小雨を防げれば良いので、デザインが気に入れば特に大きな弱点もありません。
初めて導入するワークマンとしてもおすすめです。

シンプルなデザインでも良いなら選んでもokです
アンダーウェア
ワークマンのアンダーウェアは、メリノウールや速乾性のものがラインナップされています。
弱点は、登山専用ほどの機能性はない所です。ですが、低山や、時期を選べば十分に使うことができます。
また、アウターと違い、外に見えないのでデザインも気になりません。価格も1,000円前後と格安なので、1度使ってみるのもアリですね。

困ったことにメリノウールや肌着で良いものもあるのですが、
すぐに販売停止になっちゃうんですよね。私が気に入ってたものは全部なくなってしまいました
フリース・中間着
フリースやソフトシェルのような中間着も、よほど厳しい時期、厳冬期などを選ばなければ使うことができます。
夏の高山など、稜線に上がると肌寒いこともあります。そんな時にザックの中に入れておき、備えておくことができます。
弱点は、耐久性と保温力が登山専用メーカーの商品ほどではないところですが、稜線などなら引っ掛かったりこすったりする岩場も少なく、防寒性がそれほど高くなくても、無いよりははるかに安全性が高まります。

中間着は出番があまり多くない登山道具の1つ。ワークマンの物でも、あると安心感が違うので、積極的に導入しても良いですね。
これも公式サイトでは販売されていませんが、ダイヤフリースは登山でもおすすめです。冬のテント泊でも活躍できました。
靴下

公式サイト:アーチパワーアシスト レギュラー 指付靴下 3足組
靴下も導入していきたい、ワークマンウェアの1つです。

靴下は初心者が使っても登山メーカーとの違いを感じにくいから、
費用を抑えたいならアリじゃないかな
ストレッチがあり履きやすいモデルや、足のアーチを支えてくれるモデルもあります。また、1足で100円から400円程度と格安なのも魅力。
弱点は丈夫さがなく、汗を吸い取る能力などの機能です。長期縦走やテント泊ではなく、近くの低山や里山なら十分に使うことができます。
パンツ

ワークマンのアウトドアウェアブランドのフィールドコアから出ている、ストレッチクライミングパンツは、良く使われているワークマンの1つです。
ストレッチが利き、動きに強いカットが使われているので、使いやすいのが特徴。ポケットも5つと多く、使い勝手も良くなっています。
弱点は他のウェアと同様に耐久性ですが、岩場などが多い山行に使用しなければ、十分に使うことができます。

税込みで1,900円というのも大きな魅力の1つです。
これはガチでおすすめなので、買ってください
登山専門ブランドの方が安全度は高いのは間違いない
はっきり言って、登山で使うなら、登山専門ブランドの用品の方が、安全性が高いのは間違いありません。
しっかりとした作りで、多少のことではこわれたり破れたりせず、大雨の中を1日歩いても浸水せず、豊富な調整機構で、ストレスもありません。使ってみれば価格が高い理由にも納得。
特に、経験を積んで色々な山に行ったり、テント泊などをすれば、ウェアや道具のトラブルは、遭難につながるので避けたいものです。

まずは登山専門ブランドで道具を揃え、安全に経験を積んでいきましょう。
重要なのは知った上で使うこと
価格が安く、一度は使ってみようかと思うワークマンの登山道具やウェア。
ですが、あまりの安さに使うのをためらってしてしまうのも事実。
重要なのは、安全に登山の経験を積み、そのうえでワークマンの登山ウェアやギアを使うということです。
何もわからずに、ただ単に安いから使ったり、根拠のない大丈夫だろう、という視線で使わないことです。
つまり、ワークマン登山をすることのリスクをしっかりと理解して使えば、デメリットを上回るメリット得ることができます。
例えば、近場の里山などの登山道具はワークマンでそろえて、コスパ重視にし、アルプスに行くときや縦走をするために使うものには、登山専門メーカーのウェアや道具にお金をかけるなどです。
そのためにはまずは、登山専門メーカーから出ている初心者向きのモデルで揃え、安全に登山の経験を積み、道具の目利きになってから、ワークマン登山を導入しましょう!
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