トレランを始める際、シューズについては誰しもがたくさんの情報を収集し、かなり熱心に選んでいます。直接地面に接するものですから当然でしょう。しかし直接足に触れる靴下には、案外注意が向いていないもの。
実はトレランにおいては、直接足に接する靴下はシューズ以上に重要と言えるアイテムなのです。そこで今回は、トレランに最適な靴下とその選び方について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読めば
・トレラン用の靴下で重視すべき点
・トレランの靴下の選び方
・おすすめの靴下
が分かります。
トレランの靴下は登山やランニングよりも重要
トレランでは思っている以上に靴下の選択が重要です。
トレランは山道という不整地を走る行為。下りでブレーキがかかったり、登りでは爪先のみに比重がかかったりと様々な角度から刺激が入ります。
したがって足に合わない靴下は足のトラブルにつながりやすくなります。
例えばシューズのなかで靴下が滑ったり、足と靴下が摩擦して足裏の水膨れや皮剥けに繋がったりなど。
トレランは動きが激しい分、一度足にトラブルが発生するとそれが大きなトラブルに発展しがちです。
普通の登山の場合だとある程度騙し騙し歩けたり、ロードのランニングの場合はその場でやめたりできますが、トレランの場合はそうもいきません。
したがってトレランにおいては、なるべく足のトラブルにつながらない、足にあった靴下を選ぶことが重要になるのです。
トレランの靴下に必要な性能
トレラン用の靴下に必要な性能とはどんなものなのでしょうか?
以下、5つつの項目に分けて解説します。
素材の特徴
トレラン用の靴下に使用されている素材はナイロンや化学繊維から、メリノウール、ラミー(麻)のような自然素材まで様々あります。
トレラン用の靴下に求められるのは第一に丈夫であること。それから通気性、速乾性です。トレランは山道を登ったり下ったりと、複雑な動きをします。
脆い素材のものだと、下りの加重によって一回使用しただけで指先が破れてしまったり、踵がすり減ったりしてしまいます。素材がなんであれ、頑丈さはトレラン用靴下には必須条件です。
なお、防水使用のものもありますが、雪が積もっている中長時間走るなど特殊な環境でなければ防水は必要ないかと思います。それよりも速乾性、通気性のほうが重要です。
通気性
トレラン用の靴下において通気性がいいことは必須の条件です。
通気性が悪いと足の蒸れにつながります。足が蒸れたまま長時間いると足の皮がふやけてきます。風呂に長く浸かっていると指の皮がシワシワになってくるのと同じ。
当然皮がふやけた状態では皮が剥けやすくなっています。トレイルの複雑な路面を走ることで摩擦も大きく、皮が剥けるリスクも大きいです。
そのような状態の足では思ったように走れません。
通気性のよい靴下を選ぶことでこのような足トラブルを軽減することが可能です。
速乾性
速乾性、常にできるだけドライな状態であることもトレラン用靴下には重要な要素です。
靴下は濡れていると足裏との摩擦係数が上がります。摩擦が大きくなるとマメや水膨れなど足裏トラブルが起こる確率が高くなります。
また乾きにくいと、靴下が水分を含んでいる分重く感じられますし、何より不快感が強いです。足の冷えにもつながりますので、乾きやすいというのはトレラン用靴下にとってやはりとても重要な要素でしょう。
形状(通常タイプ・5本指タイプ・足袋型タイプ)
トレラン用靴下に使用される形状には大きく3種類あります。それぞれ特徴を解説します。
通常タイプ(ラウンド型)
オーソドックスなボックス型。足指全体を包みます。特徴は着脱しやすいこと。比較的保温力があること。
トレイルの、特にロングレースでは足の状態を良好に保つため、何度か靴下を履き替えることがあります。
その時指が分かれているタイプに比べラウンド型は圧倒的に履き替えがしやすいのはメリットです。反面指が分かれているタイプより蒸れやすくドライ感が比較的感じにくいという面もあります。
ただ、逆に足指が分かれていないタイプのほうが窮屈感がないという人も多いので、そういった方には最良の型になるでしょう。
5本指タイプ
5本指タイプの特徴は、指が独立していることによってドライ感が得やすく、マメや水膨れができにくいというところです。
足のトラブルが少ないというのはトレランにはとても重要です。デメリットとしては、履き替えの時、特に足が濡れている時など履きにくい、足指に圧迫感を感じることがあるなど。
しかし足指を意識的に使って走りやすいということと、ドライ感が得やすいのは非常に魅力的。愛用者も多い型です。
足袋型タイプ
上記二つの中間に位置するようなタイプ。親指のみ独立している型です。
5本指に比べ履きやすく、ラウンド型に比べドライ感と足指の感覚が得やすいのが特徴。いいとこ取り的な型。上記二つの型に比べ、ラインナップしているメーカーは少ないですが、最近はこの型を愛用するランナーも多いです。
レース後にすぐサンダル履きになれるところも何気に便利です。
形状とは少し異なりますが、ランニング用靴下には土踏まずの落ち込みを
サポートする機能や、滑り止めが付いたモデルもあります。ただトレランで特に
距離が長くなってくると締め付け感や滑り止めによる摩擦などデメリットのほ
うが目立つようになることもあるので基本的にはトレイル用の靴下には必要ない
かと考えています。
生地の厚み(厚手・薄手)
厚手の特徴
厚手の靴下はクッション性があり、薄手に比べて頑丈です。反面薄手に比べれば、蒸れやすく通気性も弱くなります。
ただ最近のトレラン用靴下はその辺りは改良され続けていますので、中厚手程度のものならば、気になるほどではないと思います。
厚手と薄手で迷う場合、初心者であれば厚手を選んだ方が、クッション性もあり、買ってすぐ破れたなどのトラブルも少ないのでおすすめです。
薄手の特徴
薄手の特徴はやはり通気性が良く、ドライ感がより感じやすいというところ。また薄い分地面の感覚もダイレクトに感じやすいので、中〜上級ランナーに好んで使用する人が見られます。
ただ薄いが故、耐久性は厚手より劣ります。特にまだトレランの走り方に習熟していない場合、「一回履いて指に穴が開きました。」ということもありますので注意が必要です。
おすすめのトレラン用靴下(ソックス)
インナー・ファクト
ラミー(麻)をメイン素材に使用した靴下。ラミーは素材そのものが吸湿・速乾性に優れランナーの足をドライな環境に保ってくれます。
また、濡れると耐久性が増すというラミーの特性は、自然環境の中を走るトレランにとっては非常に心強い特性です。
滑りどめやサポート機能をあえて省いたシンプルなデザインがとても美しい靴下です。
インジンジ:トレイルミッドウェイト
トレイルミッドウェイトは、トレイルランの悩みの一つである砂埃や砂利の靴下内への侵入を、ダブルカフ(2重折の履き口)やメッシュトップロック(緻密に織ったメッシュパネル)によって大幅にブロック。
快適なランニングを実現してくれます。吸水速乾性に優れたクールマックスや耐摩耗性に優れたコーデュラなどの素材を混合させることによってドライ感や耐久性も申し分無し。
足裏はパイル編によってクッション性を確保。長時間のトレイルレースにも耐えられるソックスです。
ドライマックス:ライトトレイルランニング
独自開発の素材を用いることで、通常の靴下の25倍もドライな状態を保てる能力のある製品。靴下内側には強力な撥水性素材を用い汗を靴下表面へ送り出します。
表面素材はその汗を外側に逃してしまいますので、靴下内側は驚くほどドライに保たれ、ランニングを終えて靴下を脱いだ時、そのドライ感、サラサラ感に驚くことでしょう。
足をドライに保つことでマメや水膨れなどの足裏トラブルも回避できます。トレイルランナー必見の一足。
まとめ
シューズやウエアに比べ、地味であるが故つい適当に選んでしまいがちなアイテム靴下。しかし直接足に接する靴下は実はトレランにおいて最も注意深く選ぶべきアイテムなのです。
マメや水膨れなど足裏トラブルが頻発するとせっかくのやる気も削がれてしまいます。自分に合った靴下を選んで快適なトレランライフを楽しんでください。
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