新潟県の山は、季節を問わずに楽しめる山の良さはもちろんのこと、下山後の楽しみでもある
・温泉
・お酒
・グルメ
など全てがコンパクトにまとまった、トータルでとても楽しむことのできる山ばかりです。
春、夏、秋の3シーズンはもちろん、雪も多く降るので、冬は400mほどの低山でも雪山を楽しむことができますし、5月のゴールデンウィークでも残雪登山を楽しむことができます。また、バックカントリースキーやスノーボードを楽しむことができる山も多いです。
関東圏からのアクセスも良く、中越付近(湯沢や長岡、三条)の山であれば日帰り登山も可能です。名古屋方面からでも上越の山であれば週末に十分楽しむことができます。
新潟県には、100名山が12座あり県別で3番目に多い県になります。また知られていない良い山もたくさんあります。
今回はそんな新潟県のおすすめの山について、有名な100名山からマイナーな新潟100名山まで紹介するので、次回の登山の参考にしてくださいね。
新潟以外の全国の山から次に登る山を探したい人は以下の記事もチェック
この記事の結論
・ハイキングなら標高0メートルの波打ち際から登れる「角田山」
・初めての登山なら整備されていて展望の良い「平標山」
・景色が綺麗なところなら「朳差(えぶりさし)岳」
・人気No1なら「火打山」
・雪山登山なら東洋一が見られる「守門岳」
新潟の山の特徴
新潟の山はとにかく景色が良いのが特徴です。具体的には、
・1,000m以下の山でも越後平野や日本海を望める。
・山によっては天気が良ければ遠くに富士山を見ることができる。
・ほとんどの山の山頂から新潟県内の山を眺めることができるので、前に登った山や、次に登りたい山を眺めることができる。
・雪が多く降るので、低山でも雪山登山を楽しむことができ、ゴールデンウィークでも残雪登山を楽しむことができる。
です。その他にも、
・山が密集しているので、多くの山で縦走や周遊をすることがでる。
・マイナーな山でも多くの登山道は整備され、無人の山小屋がある山も多いので小屋泊を楽しむことができる。
などです。また、山と直接関係ありませんが重要な点として、
・地方都市でクルマ社会なので、駐車場に困ることがほとんどない。
・下山後の楽しみの1つである温泉が多いので、ほとんどの場合どこの山でも下山後すぐに温泉に入ることができる。
・酒蔵もあちらこちらにあるので、県外には出ていない新潟地元の銘酒を楽しむことがでる。
などがあります。
新潟の山は、山そのものの魅力はもちろん、下山後の楽しみもたくさんあるのが特徴の1つです。
おすすめのハイキングコース
まずは、手軽に楽しめるハイキングコースを紹介しますね。
弥彦山(やひこやま) 体力:☆ 技術:☆ 初心者向け
\番組紹介です✨/
— NHKにいがた (@nhk_niigata) July 19, 2022
にっぽん百低山「#弥彦山 ・新潟」
【総合】7/20(水)午後0:20~
にっぽん百低山。
それは低いながらも人々に愛され、
物語を秘めた山⛰
酒場詩人の #吉田類さん がその魅力を堪能します!
今回の舞台は新潟県の 「弥彦山」!https://t.co/1V462DxjpG#NHK #新潟 #NHK新潟 pic.twitter.com/E4zNflyUmG
コースタイム :3.5時間(表参道コース)
標高 :634m
備考 :新潟百名山、駐車場有り、ふもとにトイレ有り、温泉有り、観光地有り
弥彦山は、ふもとに弥彦神社、山頂には御神廟がある新潟では有名な山です。
登山道はよく整備されており、9合目にはレストランやお土産店、トイレもあります。9合目から山頂までは10分ほどで、山頂には御神廟があります。弥彦山は海沿いにそびえており、周りにさえぎるものがないので山頂からの眺めはとても良いです。
山頂にも休憩する場所はありますが、9合目を山頂とは反対側に5分ほど歩いたところに、弥彦山大平公園という広場があるので、ここでお昼など休憩をするのがおすすめです。日本海、佐渡ヶ島、越後平野など展望もとても良いです。
下山後は、ふもとにある弥彦神社やお土産店などを散策するのもおすすめです。また、温泉も近くに何件もあります。
冬の積雪期にも気軽に楽しめる山で、地元の方はスパイク付きの長靴で気軽に登っている方もいるほどです。冬でも登山者が多く、6本爪のアイゼンさえあれば十分に登れるので、雪山経験のない方の初めての雪山としてもおすすめできます。
角田山(かくだやま) 体力:☆ 技術:☆ 初心者向け
角田山山頂の避難小屋には珍しい物があります
— フジライフサポート小針 (@yD4gzQpijBs4IeN) July 25, 2022
だるまストーブがあるのです
だるまのような形をしているからです
だるまストーブ、すごく暖まるんですよ😃
夏だというのに、季節はずれの話をしてしまいました😅
見学・体験いつでも行っております。
興味のある方、是非いらしてください🤗#夏 #登山 pic.twitter.com/hOVwB1LK7J
コースタイム :3.5時間(灯台コース)
標高 :481.7m
備考 :新潟百名山、駐車場有り、ふもとにトイレ有り、近くに温泉有り
角田山も弥彦山と同じく新潟では有名な山です。
角田山の大きな特徴は、山が日本海に面しているので、標高0mの海の波打ちぎわから登山ができるところです。また、登山道から見る海の展望は多くの方にぜひ一度は見てほしい景色です。
山頂には展望がありませんが、広くて木が茂っているので、夏でも日陰で休憩をとることができます。山頂から5分ほど下ったところに観音堂という展望の良いところがあり、ここで休憩をとっても良いでしょう。また、観音堂のそばにはトイレもあります。
角田山のもう一つの特徴は、登山コースの多さです。公式コースだけでも7コースあり、非公式を含めると17コースあると言われています。
下山後は、近くに数件ある温泉で疲れを癒すことができます。また、車で15分ほどで弥彦山のふもとに行けるので、ここで観光をするのもおすすめです。
大蔵山(おおくらやま)~菅名岳(すがなだけ)周遊 体力:☆☆ 技術:☆ 初心者向け
大蔵山〜菅名岳縦走して無事下山
— ぼうキャン (@Heineken_Camp) May 9, 2022
飯豊連峰ごうぎ綺麗らった😀 pic.twitter.com/QzgNX4m9UU
コースタイム :6時間(大蔵コース→大蔵山→菅名岳→丸山尾根、どっぱら清水コース)
標高 :大蔵山864.2m、菅名岳909.2m
備考 :新潟百名山(菅名岳)、駐車場有り、近くに温泉有り
大蔵山→菅名岳の周遊コースは、眺めが良い360°展望の山頂と稜線歩きができる、初心者の方におすすめできる周遊コースです。
少し登山時間は長めになりますが、大蔵山も菅名岳も山頂からの眺めが良いので、周遊するのが良いです。注意点は、菅名から回ると長い階段を上らなくてはならないので、大蔵山から登ったほうが登山が楽になります。
ふもとには新潟では有名な名水が湧いていて、水を汲みに来る人もたくさんいます。下山時のどっぱら清水コースで湧き出ている水は、地元の酒蔵の仕込み水としても使われているので、下山時に汲んでみるのもおすすめです。
大蔵、菅名は冬の積雪期には初心者の方も楽しむことができる雪山になります。山頂付近は3メートル程の積雪になり、本格的な雪山登山の入り口として、初めての雪山登山におすすめの山です。
米山(よねやま) 体力:☆ 技術:☆ 初心者向け
コースタイム :4.5時間(下牧コース)
標高 :993m
備考 :新潟百名山、駐車場有り、ふもとにトイレ有り、近くに温泉有り
米山も新潟ではとても有名な山です。
登山道はとても良く整備されており、登山コースも複数あるので、休日の山頂は登山者でにぎわうほどです。山頂には無人の山小屋があるので悪天候の時などに使うことができます。また、トイレもあります。
山頂からの眺めは素晴らしく、360°のパノラマで日本海や越後平野を望むことができます。
俎倉山(まないたくらやま) 体力:☆ 技術:☆☆ 初心者向け
コースタイム :3.5時間(県道335脇駐車場から)
標高 :856m
備考 :マイナーな山、双耳峰、駐車場有り、トイレ無し
俎板倉山は、マイナーな山ですが、かなり魅力的な山です。
山頂は双耳峰でピークの1つである天狗の庭からは360°のパノラマが広がっていて、飯豊連峰も近くに眺めることができます。
山深いところにあるので、手つかずの自然を満喫することができるのも大きな魅力の1つです。
また、渡渉(浅い)やへつり、鎖場もありますが、危ない箇所は無いので、登山に慣れてきた方であればアスレチック気分を味わうことができます。
危険な箇所は少なく、登山時間も長くないので、何度か登山をして少し山に慣れてきた初心者の方におすすめです。
おすすめの登山コース
ここからは新潟にある百名山を含めたおすすめの山を紹介します。
朳差岳(えぶりさしけ) 体力:☆☆☆ 技術:☆☆ 中級者向け
コースタイム :9時間(足の松尾根コース)
標高 :1636.4m
備考 :二百名山、新潟百名山、駐車場有り、ふもとトイレ有り、温泉有り
朳差岳は百名山の飯豊連峰の北端にある山です。
朳差岳の良さは稜線歩きに尽きます。大石山に上がり稜線を歩き始めると、遠くに山頂直下にある朳差小屋が見えてきます。その景色の良さは、ここまで足の松尾根の急登を登ってきた疲れを忘れさせてくれます。
山頂からの360°の眺めも素晴らしいですし、山頂を少し超えたところにある池塘も、箱庭のようでおすすめです。
朳差小屋は、2階建ての無人の山小屋で宿泊ができます。小屋わきにはテントも張れます。トイレもありますが、近くにある水場はまれに枯れていることがあるので注意が必要です。
朳差岳は長い山行になりますが、それに見合う素晴らしい山です。また、余裕のある方は頼母木小屋にも行くことをおすすめします。ここに出ている水はとても美味しく、一飲の価値ありです。
粟ヶ岳(あわがたけ) 体力:☆☆ 技術:☆☆ 初級~中級者向け
コースタイム :5時間(中央ルート)
標高 :1292.6m
備考 :三百名山、新潟百名山、ふもとにトイレ有り、駐車場有り
粟ヶ岳は新潟の登山家の間では、
『粟ヶ岳に登ることができれば、新潟県内の山はすべて登ることができる』
と言われている少し難度の高い山です。
理由は、標高は1,300m弱しかありませんが、累積標高が1,340mあり、登山道の距離が5km弱しかないので、急な斜面が続くからです。
実際に急登が続き、はしご場も何か所かあります。きついですが、登山道途中の休憩ポイントから見ることができる眺めや、山頂からのパノラマは疲れを忘れさせてくれます。
下山後は温泉が近くにあるので、疲れをすぐにいやすことができるのも、おすすめできるポイントの1つです。
冬も楽しむことのできる山ですが、難度は高く12本爪のアイゼン、ピッケルは必須です。雪山経験のある中級者向きです。
トレランを行う方にも人気で、近年はレースも開催されています。ただし、きつい山なので初心者の方は注意が必要です。
平標山(たいらっぴょうやま) 体力:☆ 技術:☆ 初心者向け
コースタイム :5.5時間(松手山~平元新道 周遊)
標高 :1,983.8m
備考 :新潟百名山、駐車場有り、ふもとトイレ有り、温泉有り
平標山は、初心者の方や女性におすすめできる新潟の山です。
理由は、登山道は良く整備されていて、とても歩きやすくなっているからです。その他にも登山口にきれいなトイレがあり、山頂付近の有人の山小屋にもトイレや売店があります。
周遊は時計回りに松手山から登るのがおすすめです。山頂付近はなだらかな台形をしていて、森林限界を超えているのでさえぎるものが無く、展望がとても良いです。条件が良ければ富士山も見ることができます。
余裕のある方は、展望の良い稜線を歩いて仙ノ倉まで足を延ばすのも良いでしょう。
冬も楽しめる山ですが、厳冬期は風が強くかなり厳しいので、2月後半から3月がおすすめです。バックカントリースキーや、スノーボーダーの方に人気で、登山者のほとんどはスキーヤーやスノーボーダーです。
雪が多いので4月後半でも残雪歩きを楽しむことができます。
火打山(ひうちやま) 体力:☆☆☆ 技術:☆ 初級~中級者向け
コースタイム :9時間(笹ヶ峰ルート)
標高 :2,461.7m
備考 :百名山、新潟百名山、駐車場有り、ふもとトイレ有り、温泉有り
火打山は、登山道がとても良く整備され、距離は長いですが危険な箇所はなく、新潟でとても人気の山です。また、観光地である妙高の山なので、ふもとにはホテルや温泉、観光地なども充実しています。
火打山の登山道は、階段や木道などでとても良く整備されています。登山口だけでなく登山道の途中にもトイレが設置してあり、途中には有人のヒュッテとテント場もあるので、女性にもとても人気のある山です。
山頂までは9キロ弱と距離がありますが、急登も少なく、はしごや鎖場もないので、難易度は高くありません。
ブナ林の中を歩き、途中には富士山や北アルプスを展望できる場所もあり、ヒュッテのある高谷池を超えると天狗の庭という池塘群があります。山頂が近くなると、遠くに苗場山や日本海も望むことができ、運が良ければライチョウに出会うこともできます。
山頂はもちろん360°の大パノラマで、となりの新潟焼山や雨飾山、妙高山なども望むことができます。
初夏や紅葉のシーズンは特に素晴らしい景色で、冬はバックカントリースキーのメッカでもあります。
新潟の山の中でも、一度は登ってほしい山の1つです。
また、隣の新潟焼山と火打山は周遊もできるので、足に自信がある方は是非チャレンジしてみてください。
八海山(はっかいさん) 体力:☆☆☆ 技術:☆☆☆ 中級者向け
コースタイム :8.5時間(屏風道~入道岳~新開道)
標高 :1778m
備考 :二百名山、新潟百名山、越後三山の1つ、駐車場有り、温泉有り
八海山は、八つ峰からなる岩場が連続した難度の高い山です。
今回紹介する屏風道ルートは、いくつかある登山道の中で最も難度の高いルートです。鎖場は当然で、垂直に近い登りも何か所もあります。
屏風道を登りきると千本檜小屋という有人の小屋があり、ここにはトイレや売店があります。宿泊もできますし、テント場もあります。
ここから、ピークの入道岳まで垂直の鎖場やはしごが連続する八つ峰を超えていきます。危険ですが、峰のそれぞれにお地蔵さまなどがあり、古くからの霊山の雰囲気を味わうことができます。
入道岳まで進んだら、少し戻り新開道を下山します。
とても難度の高い山ですが、独特な雰囲気のある山なので、鎖場など問題の無い方は一度登っていただきたい山です。
余裕がある方は入道岳の先の五竜岳まで進み阿寺山経由で下山しても良いでしょう。
また、八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳の越後三山はテント泊、小屋泊どちらでも縦走できるので、難度は高いですが、時間のある方はチャレンジしてみてください。
下山後は有名な八海山の日本酒や、魚沼産の米やお酒などのグルメを楽しむことができるのも大きな魅力の1つです。
おすすめの雪山
新潟の雪山には、あまり知られていませんが冬の間だけ東洋一を名乗る山があります。
守門岳(すもんだけ) 体力:☆☆ 技術:☆☆ 初級~中級者向け
コースタイム :8.5時間(積雪期、保久礼~大岳~袴岳~藤平山周遊)中級者向け
:6.5時間(積雪期、保久礼~大岳ピストン)雪山経験のある初級者も可
標高 :1537.2m
備考 :二百名山、新潟百名山、東洋一の大雪庇、駐車場有り
冬の守門岳は、東洋一といわれる大雪庇を見ることができる山です。
守門岳は大岳、青雲岳、袴岳からなる山塊の通称で、大雪庇は手前のピークである大岳から眺めることができます。天気の良い日は、雪の白と青空のコントラストと雪庇の迫力で息をのむ美しさです。
1月は天候が厳しいので、2月から3月が雪庇を見る場合はおすすめです。雪の量にもよりますが4月でも見ることができます。
いずれの時期も、大岳まではアイゼンやワカン、スノーシューは必須です。袴岳まで足を延ばす方は、12本爪のアイゼンとピッケルが必要になります。
周遊コースは雪山に慣れた中級者の方向けですが、大岳までの雪庇を見て引き返すコースであれば、雪山経験があれば、初級者の方でも大丈夫です。
人気の雪山なので、踏み跡も多く、道迷いの可能性も低いです。また、バックカントリースキーで有名な山でもあり、ふもとの三条市ではツアーを行っていることもあります。
大雪庇は一見の価値ありですので、雪山経験のある方には登っていただきたい山です。
トレイルランにおすすめのルート
近年増えてきたトレイルランを行う方向けのルートを紹介します。
角田山~弥彦山~国上山(くがみやま)縦走 体力:☆☆ 技術:☆ 初級~中級者向け
コースタイム :8時間(片道、登山の場合)
累積標高、距離 :累積標高 約2,530m、距離 約22km(片道)
備考 :駐車場有り、各所にトイレ有り、エスケープルート有り
角田山から弥彦山を経由して国上山に向かうルートは、トレイルランにおすすめの縦走ルートです。
地元のトレイルランを行う方にも人気で、角田山や弥彦山では、週末には多くのトレイルランランナーに出会います。
最大標高は弥彦山の634mですが、全ての山を縦走すると距離があり、走りごたえがあります。国上山のふもとには、神社や道の駅、温泉があり、角田山ふもとにもトイレ、近くには温泉もあります。どちらをスタートとゴールにしても問題ありません。
中間点よりも国上山寄りの弥彦山の9合目には、トイレや売店があります。途中いくつも街に下りることができるルートがあるので、トラブルがあった場合に下山しやすく、体力や技量に合わせて距離の調整も容易です。
弥彦山のふもとは観光地も充実しているので、トレイルランニングをしている方だけではなく、ハイキングや登山の方にもおすすめできる縦走ルートです。
まとめ
新潟には春から秋のシーズンのみではなく、冬も楽しめる山が沢山あります。また、ハイキングから、登山の初心者、上級者の方まで楽しめる多彩な山が多いのも特徴です。
山を楽しんだ後は、夏はどこでも楽しむことができる海水浴や、温泉、観光地、お酒なども充実しています。特に夏はスーパーで販売されている枝豆や、季節のフルーツなど、県外の方には知られていないグルメもたくさんあります。
皆さんも季節を問わずに楽しめる新潟の山へ遊びに行きましょう!
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