まず結論からお伝えしますと、バックカントリーのビンディングのおすすめは、歩きやすいもので、ビンディングが軽く、スキー板とブーツとの相性が良いものがいいでしょう。
なぜなら、長時間足につけていることが多くなるので歩きやすいビンディングはストレスを軽減してくれます。以前まではブーツにプレートがくっついているタイプのビンディングが多かったですが、最近では、つま先のみピンで固定するタイプのビンディングの方が歩きやすく、プレートが無くなった分軽いので使われることが多くなってきました。
また、板の種類やブーツのソール形状とビンディングで相性があるので、使用できないものもあります。
この記事の結論
・歩きやすいものを選ぶなら「Marker:Kingpin 13」
・ビンディングの軽さで選ぶなら「Fritschi: Tecton 12バインディン
バックカントリーのスキービンディングの選び方・評価基準
ホールド感がしっかりしているツアー(AT)ビンディングか、軽量に特化しているピンテックビンディングか、両方のいいとこどりのシフトビンディングがあります。
それぞれ解説していきます。
ビンディングの種類
バックカントリーのビンディングの種類で代表的なものを紹介します。
テレマークビンディング
テレマークビンディングは、スキーブーツに装着する装置で、スキーの操作性を向上させるために開発されました。このビンディングは、スキーブーツのつま先部分が固定され、かかと部分が自由に動く構造となっており、スキーを滑走する際にはかかとを上げて曲がります。
テレマークスキーは、このビンディングと組み合わせて使用することで、より自由なスキー体験を提供します。
また、テレマークスキーを使用することで、より深い雪の中でもスキーを楽しむことができます。
さらに、テレマークスキーは、スキーのテクニックや体力を向上させることができるため、スキーヤーにとって非常に魅力的なスキースタイルとなっています。
ツアー(AT)ビンディング
装着の方法が通常のアルペンビンディングと同じくステップイン方式で、ウォークモードができます。
フロントのビンディング部分を起点にしてプレートが上がることでウォークモードにすることができます。
専用のブーツを必要としません。
ピンテックビンディング
軽量なのが特徴です。
軽さ重視のためプレートが排除されており、ツアー(AT)ビンディングと比べると安定性が少し劣ります。
一方で滑り出し時に必要なリリース力がピンテックビンディング固定用のスプリングの弾性によって決まるため、滑り出し時の力が弱い人でも安全に滑ることができます。
ウォークモードではブーツのみが上がり、ブーツはつま先がピンで固定されるような状態になります。
脚の筋肉にフィットするように設計されており、適度なフィット感を保ちながら、脚に負担がかかりにくいデザインになっています。
専用ブーツが必要となる点は注意しましょう。
シフトビンディング
ツアー(AT)ビンディングとピンテックビンディングのいいとこどりのようなビンディングです。
軽量で安定感もあります。
ウォークモードの時にはピンテックビンディングのように両側のピンで固定します。
スキーモードの時にはツアー(AT)ビンディングのようにステップイン方式になります。
専用ブーツが必要となります。
アルペンビンディング
基礎スキー、フリースタイル向けの構造をしています。
ツアー(AT)ビンディング、ピンテックビンディングと違っているところはウォークモードがないところです。
ブーツによっては対応できないものがあります。
通常のアルペンスキービンディングと同様に、つま先とかかとの両方が固定されるタイプのビンディングです。
しかし、ヒールピースを外して、ハイキングや登山の際には自由に動くようになっています。
このビンディングは、アルペンスキーにおいて安定性と快適性のバランスが良く、特に激しいターンや高速滑走において優れた操作性能を発揮します。
また、ビンディングの軽量化にも寄与しており、滑降以外のアクティビティで使用する場合には、その軽さが大きなアドバンテージとなります。
歩きやすさ
ウォークモードでプレートが上がるものが主流でしたが、最近ではプレートがないピンテックビンディングが歩きやすいとされています。
つま先を支点にして歩くことができるので、普通の歩行にちかいです。
ツアービンディングの一種であるフレームツアービンディングは、これまでも、ハイキングや登山などのアクティビティに適していることが知られています。
スキー板とブーツを一体化するフレームビンディングは、重量がありますが、滑降時の安定性が高く、長距離のトレッキングに適しています。
軽さと安定感のどちらを重視するかは好みによるところ
人気があるのはツアービンディングの方だね
軽さ
軽いビンディングは疲労をできるだけ減らすことができるためストレス軽減につながります。
安全開放機能の有無
安全開放機能とは、何かの力がかかったときに解放してスキー板を足から分離することで、怪我をしないようにする安全機能のことをいいます。
滑走中はブーツが固定されているようにみえますが、小刻みに動いています。
ビンディングについているスプリングのおかげで動いても元の位置に足が戻っています。
スプリングが制御できないほどの力がかかったときには外れるシステムになっているのです。
この機能がない場合、転んで板が外れずに衝撃が膝や足首に加わります。
よくある怪我で靭帯の損傷などがありますので安全開放機能はおすすめとなります。
バックカントリーのスキービンディングはスキー場で使うビンディングと何が違うか?
踵が浮いて歩きやすいウォークモードがあるものがバックカントリー用とされています。
スキー場ではウォークモードは必要ないのでついていません。
大きな違い
①スキー場用は滑りやすさ重視に対して、バックカントリー用は安全性・耐久性重視
(雪の厚さや崖の深さなど、バックカントリーの状況に合わせて対応できるようになっている)
②解放値の設定がスキー場はリリースされやすいのに対して、バックカントリーではリリースしにくく設定します。板が外れてしまうと逆に危険な場面が多いため
③スキー場では着脱のしやすさが重視されますが、バックカントリーでは安定して足に固定することが重視された設計になっています。
解放地めのバックカントリーのスキービンディング
プレートが無いタイプで歩きやすいおすすめのビンディングを紹介します。
Marker:Kingpin 13(マーカー・キングピン)
フリーライドスキーにも対応しており、アクティブなスキーを楽しみたい方におすすめです。
ビンディング種類:ピンテックビンディング
Fritschi: Tecton 12バインディング
トゥとヒールの両方に開放機能がついていて、安全性を優先するならこちらがおすすめです。
ビンディング種類:ピンテックビンディング
Dynafit(ディナフィット):ST Radical 100mm
ピン式ビンディングのパイオニア的存在で、信頼性が高く、非常に軽量です。
装着を迅速に行いたい方におすすめです。
ビンディング種類:ピンテックビンディング
アトミック:N Shift 13 MNC ビンディング
誤開放が少なく滑りに集中したい方におすすめです。
ビンディング種類:シフトビンディング
サロモン:テックビンディング S/LAB SHIFT MNC 13
滑りに安定性があるので、ゲレンデでも楽しみたい方におすすめです。
ビンディング種類:シフトビンディング
まとめ
ビンディングを選ぶときには板とブーツに合うものを選びましょう。
最近では、プレートの無い軽量のテックビンディングが人気です。
さらに、安定感と軽量をほどよく兼ね備えたシフトビンディングも人気となっています。
軽量に特化していると長時間歩くことが可能ですし、滑り重視のビンディングでは滑り方の幅が増えるでしょう。
さまざまな楽しみ方がありますので、自分の好みに合ったビンディングを探してみてください。
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