ビーコンは雪山登山の3種の神器の1つで、登山ツアーに参加するための必須装備として指定されていることも少なくありません。
ビーコンって値段が高いのが気になるんだよね
安くて性能が良い最適解ってなんなのかな?
他の道具なら選択肢はいくらでもありますが、
ビーコンに関してはバリーボックス1択です。
なぜなら性能が高いのに安いから。
読み飛ばしガイドで気になる部分をタップしてみてください。
読み飛ばしガイド
ビーコンは雪崩に巻き込まれたときに同行者の命を救うと共に、自身が見つけてもらうために必須な道具なので、何に使うのか、どんなものを選べば良いか考えてみましょう!
あなたは雪に埋まったことはありますか?私はあります。ガチで抜け出せません。
だからこそ雪崩対策が必要なのです。総合的な選び方については以下の動画で解説しましたので、合わせて聞き流して頂けますと幸いです。
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商品名 | マムート バリーボックス | マムート バリーボックスS | オルトボックスZOOM+ |
特徴 | 8割が選ぶ定番 高性能 | プロ向け 性能にこだわる人向け | 安さにこだわる人向け 操作性は変わらない |
捜索帯域幅 | 70m | 70m | 40m |
価格 | \39,000円 前後 | \48,000円 前後 | \27,000円 前後 |
探索方式 | デジタル | デジタル アナログ | デジタル |
重さ | 205g | 210g | 200g |
バッテリー(送信時) | 300時間 | 300時間 | 250時間 |
アンテナ | 3本 | 3本 | 3本 |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
登山用ビーコンの価格と性能が比例しないという話
登山用雪崩ビーコンは日本製のものは現行で広く流通していません。そのため、海外の為替の状況や経済状況によって価格が決まります。
加えて雪山登山やバックカントリーをする人口母数はかなり少ないので、どうしても需要が少なくなり、需要と供給の関係で値動きが激しいのです。
だからこそ、性能が高い=価格が高いとなっていないのが、他の道具と違うところです。
なんなら古い型番で性能が低い方が稀少で価格が暴騰していることもあります。
当然、このような性能が低いのに価格が高くなっているものは避ける必要があります。
最強ビーコンの一角である「マムートのバリーボックス」が値下げ傾向にあるため、
近年はマムート一強時代と言えます。3,4年前はまだオルトボックスやBCAの価格が安かったので、その時期に買った人はBCA、オルトボックスいいよと言ってますね。
少なくとも2019年以降、毎日販売数をブログで見てきた人は私以外にはいないでしょうから、相場感にはかなり自信があります。
結論:価格から考える買うべき登山用ビーコン
8割の人が選ぶ 性能が高くて安い「マムート:バリーボックス」
Barryvoxは45年以上の歴史がある定番モデルです。その使用の容易さを追求していて、初心者が簡単に操作できるモデルです。
マーキング機能があり、複数の埋没者がいるときにマーキングして他の捜索者に伝え、すぐに他の埋没者の捜索に向うことができます。
捜索帯域幅が70mと広いので、探索が非常にしやすいモデルです。
プロが選ぶ 性能が最強の「マムート:バリーボックスS」
ちなみに「S(セーフティー)」がついたアナログ捜索も可能なモデルもありますが、こちらは一般登山なら過剰能力かと思います。逆にバックカントリーまでやるならSの方が良いと考えています。
細かい違いは以下に詳しく記載していますが、使いこなせばより多くの命を救うのにSの方が優れています。
実際にはバリーボックスSを選ぶのはガイドさんや山小屋勤務の方、バックカントリーツアーの関係者が多いです。
>>マムートのアバランチビーコン比較 バリーボックスとバリーボックスSの違いは?
リアルでビーコン何がいいって聞くと、
絶対バリーボックスSが良いと言われるでしょう。
特にパーティメンバーから見たらあなたの装備が貧弱なせいで雪崩で死んだら困りますからね
安全性を考えれば最強なものを勧められるので間違っていませんが、それで他の装備のグレードが下がって危険になるなら、バリーボックスにしても良いと考えています。結局は予算次第ですね。
バリーボックスのバリーとは、イヌの名前です。
バリーは今から200年以上前に、スイスのサン・ベルナール修道院で使役されていた山岳救助犬。
雪深いアルプスで山岳救助犬としてその生涯で40人以上の人命を救ったことにより、もっとも有名なセント・バーナードといわれ、サン・ベルナール修道院では今でも飼育されている犬にバリーという名前が受け継がれています。
マムートは、スイスの登山用品製造ブランドですから、この物語から、多くの命を救助するために「バリー」の名を冠したのではないでしょうか。
最軽量クラス170gのアルバ:EVO5
● 3本アンテナ
● 最大受信範囲(縦):50m
● 捜索受信幅:40m
● 140°液晶方向指示と距離のリアルタイム自動サーチ機能
● 高性能分析処理機能16ビットプロセッサー内蔵
アルバはフランスの有名メーカーです。これまで様々なビーコンが発売され、進化してきました。
EVO5は、軽量(電池込で170g)でエントリーモデルとしては最低限の性能を抑えています。タイマーによる送信自動復帰モードもあり、モード切替を忘れていても安全です。
フランス製ですが、五か国語分(日本語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語)のマニュアルが同封されており、使い方を身に着けるのにも苦労しません。
難点として電池蓋がマイナスドライバーで開けるタイプであることがあげられますが、頻繁に開けるわけではありませんし、いざとなれば硬貨であけることもできます。
マーキングだけは少し練習が必要ですが、操作も単純でわかりやすいです。
個人的には旧モデルのEVO4のストラップを装着すると自動で電源が入るのが好きでしたが、
軽量化されたEVO5の方が人気ですね。
最軽量・最小サイズだから、バックカントリー愛好家からも評価が高いよ
【電源入れ忘れゼロ】アルバのビーコンがめちゃくちゃ使い易かった件(EVO4・5、アクシオ、NEO+)
アルバEVO5のココが魅力
・マニュアルがわかりやすく、操作性が高い
・アンテナ3本かつ捜索帯域幅50mと平均以上の能力を持つ
・性能に対して価格が安く、4万円前後で手に入る
他モデルも検討したい方は総集編となる以下の記事をご覧ください
>>おすすめの雪山登山のビーコン(雪崩対策)実地検証レビュー
よくある質問
ビーコンの種類ってどんなものがあるの?
雪崩ビーコンはアナログ式、デジタル式、アナログ・デジタル切り替え式の3種類があります。
結論から言うと価格関係なく性能で選びたいなら、アナログ/デジタル切り替え式が最強です。
コスパを考えるなら、デジタル式です。実際のところ、ビーコン利用者の9割はデジタル式を選んでいます。
デジタル式で一番人気はマムートのバリーボックス
アナログ/デジタル切り替え式だとバリーボックスSになります。
種類 | 特徴 | 価格目安 | 性能 |
デジタル式 | アンテナ1~3本 一番の主流モデル 現行モデルの9割がこの方式 | 30000~45000円 | アンテナの本数が多いほど 捜索精度が高く、 アンテナ3本選んでおけばok |
アナログ/デジタル切り替え式 | アンテナ3本 アナログとデジタルの良いとこどりできるモデル 両方の機能が必要なので価格は高くなりがち | 50000円 | アナログの捜索範囲の広さと デジタルの捜索精度を 組み合わせた最強モデル |
アナログ式 | アンテナ1本 受信範囲が広いので遠くから捜索が可能 旧式モデルなので現行品ではほとんど販売されていない | 販売なし | 捜索範囲は広いが、 捜索精度が低い |
ビーコンって何に使うの?
雪山登山は雪崩のリスクが付きまといます。ビーコンはそんな雪崩に巻き込まれたときに捜索、救出するためのものであると同時に、自身が埋没者となったときに発見してもらうためのものです。
ビーコンは正直なくても山には登れます。でも何かあったときに命に関わるので、必ず持って行くようにしましょう。
いざというときに発見は1分1秒を争います。短時間で発見するために、プローブ(ゾンデ)と合わせて持つようにしましょう。
パーティの使ってるビーコンと機種が違ってもいいの?
検証結果:ビーコン性能は、メーカーが違っても互換性あり
ここまでいろんな製品を比較しましたが、ビーコンは他の人が持っているものとの互換性が気になるもの。ということで友人とビーコンを雪面に埋めて探す訓練をしてみました。
使用したビーコンは3種類です。異なる各メーカーでも埋没時に探知できるかを検証しました。
用意したのは3つのメーカーの商品です。
BCA TRACKER 3
アルバ アバランチビーコン EVO4
Ortovox アバランチ ビーコン S1+
アルバのビーコン はストラップ着用と同時に電源が入りますが、他2種はボタンで電源起動します。
どのビーコンでも埋める深さが50cmくらいまではスムーズに場所を特定できます。50cmくらいから方向を特定するのはコツがいるので少し練習が必要です。
また、複数の埋没者がいるときは、マーキング機能をしっかり使えるようにしておかないと、既に見つけたビーコンに反応してしまうので、効率よく探すことができません。
アルバのビーコンは、近くでマーキングボタンを押すことでマーキングが完了します。
検証は20m程度の範囲で行ったので、機種による捜索制度の差はほとんど感じられませんでした。また、画面表示もどの機種もわかりやすくなっています。
実際の雪崩の現場では大きく流されてしまうので、捜索範囲は重要になるのでご注意ください。
ビーコンは機種が違っても通信規格が統一(457khz)されているので、互換性があることを確認できました。
練習もおもしろいかつ使い方が身につくので、機会があればぜひ友人と試して見てください。
ビーコンを買ったら次はプローブ(ゾンデ)とスコップ
雪崩対策3種の神器と呼ばれているのは、ビーコン、プローブ(ゾンデ)とスコップです。
もしまだビーコンしか買っていないなら、プローブとスコップも用意しておきましょう。
スコップは雪崩で埋まったパーティメンバーを救出するのに使用します。
非常時以外でもテント泊での整地から車が埋まった場合の掘り出しまで、使用機会は多い道具です。
雪崩が起きそうな断層をカットしてリスク分析することもあります。
コンパクトさと操作性のどちらを重視するかは好みが分かれるので、それぞれ見てみましょう!
ビーコンでの捜索は距離は分かっても方角が曖昧にしかわかりません。
近くまできたら埋没者を探しあてるためのプローブが必要です。ただの棒に見えて命を救う大事な道具なんです。
その他、雪面に突き刺して積雪量を測って雪洞泊を検討したり、状況を知るための測量道具として用いられます。
使用回数が少ないならレンタルも価格が安くおすすめ
ここまでの結論をまとめると以下の通りです。価格で選ぶと選択肢は少なく、迷うことなく決めることができます。
ビーコンはマムート最強でしたね。
気になる商品があればおさらいしてみましょう。
まとめ
ここまで検討してもまだ高いと感じるなら、レンタルも検討して見ても良いでしょう。
手続きや悪天時のキャンセルなど、少し面倒ではありますが、アウトドアギアレンタルで5000円くらいで雪崩装備がレンタルできます。
年に数回しか雪山登山をしないような方は、こちらの方が安くなりますので、合わせて検討してみてください。
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