ポールは友達。共に頂上に駆け登ろう。
トレッキングでは、もはや定番アイテムとしてお馴染みのポールですが、トレランにおいても近年積極的に使用されています。一体どういった時にトレランではポールが使用されるのでしょうか?
またどういった効果や利点があるの?
そこで今回は、トレランにおいてのポールの必要性や活用法について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
この記事を読むと以下が分かります。
・トレランでポールが有効なのはどんな場面か
・トレランで選ぶポールはどのようなものが良いか
・トレランにおすすめなポール
そもそもトレランにポールが必要か?
トレイルを走るためにポールが必ずしもマストなアイテムかと問われれば、そうではありません。なくてもレースは走れますし、ポールを使用しないランナーも大勢います。
しかし、少なくないトレイルランナーがトレランポールを取り入れているのも事実。
トレランはロードのマラソンと違って、コースごとに条件が大きく異なるのが特徴です。
ロード並みに走れるトレイルもあれば、ほとんど走る余地もないほど起伏の激しいトレイルもあり状況は様々。
ポールは特に起伏の激しいトレイルを攻略するために3本目・4本目の足としてランナーをサポートしてくれます。
トレランにポールは必須ではないですが、適正に使用すれば効率の良い走りをサポートしてくれて、レースを有利に進めてくれる。
取り入れる価値は大いにあるアイテムです。
ちなみに、トレランでポールを使用する場合、
基本的には2本ペアで使用します。
トレランポールが有効な場面て?
トレランポールの使用から得られるメリットは、登りでの推進力の補助、下りでのバランスと足にかかる衝撃の補助です。
トレランにポールが積極的に使われるのは次の2つの場面。
- 長い距離を走る場合
- 起伏の激しいトレイルを走る場合
長い距離のレースを走る場合、上半身でポールを使用することによって、負荷を分散し、体力の温存を図ることができます。
また長いレースだと、荷物も必然的に多くなるのでバランスをとるためにも有効です。
そして、ポールを突くことによって走りにリズムが生まれ、疲労時に動き続ける助けにもなりますね。
また距離が短くても、アップダウンが多く、起伏の激しいトレイルを走る場合、推進力強化のため積極的に取り入れられています。
特に、距離の短いレースの中でも、スカイランニングのバーティカル(平均傾斜20%以上・5km以内の登りのみのレース)のようなキツい傾斜を上り続ける様なレースでは、ポールの推進力がかなり有効な武器となり得ます。
逆に、比較的起伏が少なく「走れる」場面の多いトレイルでは、荷物にもなるポールは使用されない場合が多いですね。
ただし、使い慣れていないと逆に
邪魔になりかねないので、レースに
使用する場合は、少なくとも1回
は練習で使ってみておきましょう。
トレランポール使用についての注意点
トレランポールは、使い方によっては走りをサポートしてくれる非常に優秀なアイテムなのですが、使用に当たっての注意点もあります。
それは次の2点。
- レースによってはポールの使用自体が禁止されている
- ポールを使用する場合でも先端に保護カバーをつける
そもそも登山道保護の観点から、特に日本ではポールの使用が認められていない、もしくは一部区間で使用禁止といったレースも多くあります。
そういったレースに参加する場合は、せっかくのポールも当然生かすことができません。従って、参加したいレースでポール使用が可能かどうか、エントリー時に良く確認することが必要です。
さらに、レースに限らず、トレランポールを使用する場合には、ポールの先端にカバーをつけ、なるべく登山道にダメージを与えない配慮が求められます。
トレランで使うトレッキングポールの選び方
軽さ
「走る」というアクティビティであるトレランにとって、軽いということは常に求められる要素です。ポールについても当然軽さは重要なポイントではあります。
しかし一概に軽さばかりを求めればいいというわけでもありません。なぜなら軽いということは、脆さにもつながるから。
トレランポールに使用される素材は、主にアルミとカーボンの2種類。軽さでいえばカーボンのほうが一般的に軽いです。
例えば同じメーカーで、
アルミ製が2本ペア=339g
カーボン製2本ペア=275g
といった感じ。
軽さという観点からはカーボンに軍配が上がりますが、カーボンは頑丈さの点ではアルミに劣ります。
カーボンは強度はあるのですが硬く曲がらない素材なので、負荷が一点に集中すると折れやすいというデメリットがあります。
それに比べアルミはしなやかさがある素材なので、曲がることはあっても滅多に折れることはありません。
やはりトレランというアクティビティの性質上、どうしても軽さを求めたくなります。しかし軽くなればなるほど強度は劣ってくるもの。
実際カーボンモデルの中には、一本100g(ペアで200g)程度の超軽量モデルも存在しますが、この様なポールは破損のリスクも高く使い手を選びますので、慣れるまではアルミ製、もしくは少し重量のあるカーボン製を選ぶのがいいでしょう。
長さ
トレランポールの適正な長さは、身長の66%から68%が目安となります。
身長170cmの人なら
170×0.66=112.2 170×0.68=115.6
112cmから116cmが適正な長さになります。使い方や好みによって選ぶことになりますが、
登りの補助に重点をおきたければ短め
降りの補助に重点をおくなら長めを選ぶ
のがコツとなります。
また後述しますが、固定方法が伸縮式の場合、長さの調整も可能です。
計算式や自分のスタイルにあった長さのものを選んでください。
長さの固定方法
ポールの長さの固定方法には次の2種類があります。
- テレスコーピング式(伸縮収納式)
- 折り畳み式
テレスコーピング式は、望遠鏡の様に径の異なるシャフトを伸縮、収納して長さを調整・固定するタイプ。
テレスコーピング式のメリット・デメリットは次の
とおり。
メリット
- 昔からあるタイプなので、価格帯も含めて選択肢が多い。
- 長さの調整幅が広いので、必要な長さに調整がしやすい。
- 折り畳み式に比べ比較的頑丈
デメリット
- 折り畳み式にくらべコンパクトさに欠け、サック等への収納性に劣る
- 比較的重い
折り畳み式のメリット・デメリットは
こちら
メリット
- 比較的軽量
- コンパクトに折り畳めるのでザック等への収納性が高い
デメリット
- 長さの調整ができないタイプがある。調整できても限定的。
- テレスコーピング式に比べ頑丈さに劣る。
どちらのタイプにも長短がありますが、収納力と軽さの観点からトレランでは折り畳み式が選ばれることが比較的多いですね。
トレランにおすすめなポール
レキ(leki)の トレランポール
マイクロ・トレイル・プロ
ポールメーカーの雄レキのポール。カーボン素材、折り畳み式で軽量コンパクトなトレラン用モデルです。
メッシュタイプのストラップは通気性も良く汗をかいても快適。ワンタッチでポール本体と切り離せるので、補給の際にも便利です。
コルク性のグリップは弾力性に富み握りやすく、汗でも滑りくくトレランにうってつけ。
ペア重量約390gと頑丈さと軽さのバランスの良い秀逸なポールです。
サイズは105cm〜130cmの6段階展開。
ヘリテイジのトレランポール
ULウルトラライト・トレイルポール
2本ペアで約265gという驚異的な軽さのウルトラ・ライトポール。素材はアルミながら、極限まで無駄を省きシンプルな作りにすることで軽さを実現しています。
折り畳み式で、畳めば35cmのコンパクトさは収納にも便利。
組み立てもワンタッチで簡単。ただし軽くシンプルな分使い手にある程度練度が求められます。
サイズは110cm〜120cmの3段階で展開。
シナノのトレランポール
トレランポール14.0
耐久性の高いアルミを使用した、初心者から中級者向けのトレランポール。初心者向けといっても十分上級者も満足できるレベルです。
重量はペアで344g〜374g。軽すぎず重すぎずと使い勝手良し。
折り畳めば30cmのコンパクトさも大きな魅力ですね。
サイズは100cm〜115cmの3段階で展開。
ブラックダイヤモンドのトレランポール
ディスタンス・カーボンFLZ
折り畳めば37cmのコンパクトな長さになる機能に加え、15cm〜20cmの長さ調整も可能にしたモデル。
登りと降りで必要な長さが変わるトレランにおいてこの一本で最適な長さを確保できるのは大きな魅力。ペアで330g〜380gと使いやすい重量も良。
サイズは(調整機能込み)95〜110cm 、105〜125cm 、120〜140cmの3段階で展開。
まとめ
トレランポールを利用することで、効率的な走りを可能にしたり、苦手な登りを有利に進めたりとトレランポールを取り入れる利点は多くあります。
今回紹介したポールの中では、コスパ重視で選ぶならヘリテイジのULトレイルポール、総合的な使いやすさで言えばレキのマイクロトレイルプロでしょうか。
いずれにせよ、まだ使ったことがないというあなたも一度試してみてはいかがでしょうか。思った以上に走りが変わるかも。
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