エーデルリッド マディーロはこんなヘルメット
エーデルリッドは、150年以上も続いている歴史の長いドイツのメーカーで、創業当初は、紐とロープを製造を行っていました。
現在は、クライミング用品や高所作業や救助活動で使用するロープ・安全帯といった作業小物、アドベンチャーパークの遊具の製造など、幅広いジャンルで活躍しています。
そんなエーデルリッドから販売されているマディーロは、登山用としては唯一の折りたたみ式のヘルメットなのです。
エーデルリッド マディーロはコンパクトで持ち運び易いヘルメット
エーデルリッドのマディーロは、折りたたみが可能で、比較的小さいザックにでも収納ができるほどコンパクトなのが特徴です。
折りたたみ式と言われると、臨時用で従来のヘルメットより安全性が低く、頼りないというイメージを持つ方もいるかもしれません。
落石等や転倒・滑落時の頭部保護を目的とした登山用のヘルメットは、EUの「EN規格」や国際山岳連盟の「UIAA規格」という安全規格を満たす必要があります。
マディーロは、従来のヘルメットにはないコンパクトさを持ちながら、登山用のとしての安全規格を満たしている画期的なヘルメットなのです。
エーデルリッド マディーロが他のヘルメットに勝る点
マディーロを選ぶメリットは大きく分けて2点です。
マディーロを選ぶメリット1:コンパクトさ
一つめは、前述したとおり折りたためてザックに収納できる点です。
ヘルメットは山行中、最初から最後まで装着しているわけではありません。
滑落・転倒事故の多い山域で、山岳ヘルメットの着用を推奨されています。
しかし、それ以外の山域や通常の登山となると、収納している時間のほうが多いでしょう。
ヘルメットはとてもかさばるため、ザックに収納できないことが多く、装着していないときは、外付けをするのが一般的です。
しかし、外付けすると思わぬところで木の枝に引っかかったり、岩にこすってしまったりしてヘルメットを無駄に傷つけるばかりか、バランスを崩し転倒・滑落の危険性が出てきます。
その点、マディーロは両サイドをトップ方向にスライドし、後部を折りたたむことでコンパクトにザックに収納できます
そのためかさばらないだけではなく、危険を未然に防ぐことができます。
マディーロを選ぶメリット2:剛性・耐衝撃性の高さ
二つめは、剛性・耐衝撃性に優れた点です。
山岳用のヘルメットの種類は「ハードシェルタイプ」と「インモールドタイプ」の二つに分けられ、マディーロは前者に該当します。
ハードシェルタイプは、ABS樹脂という素材でできた外殻の内側に、衝撃を吸収する役目を持つ発砲スチロール貼り付けられています。
ABS樹脂は、とても硬く傷つきにくい素材で、剛性・耐衝撃性に優れています。
このABS樹脂の特徴があることで、内側の発泡スチロールが薄くても必要な安全規格を満たすことができます。
さらにそのおかげで、頭でっかちにならずシルエットが小さくなるのもうれしいポイントです。
マディーロを選ぶ上で気になること
マディーロを選ぶときに気になること1:重量は軽いとは言えない
マディーロを選ぶ上で軽さについては他ヘルメットに劣ります。
マディーロは剛性・耐衝撃性に優れている反面、約390gととても重いのが欠点です。
一方、インモードタイプは、発砲スチロールでできたヘルメットの外側に、ポリカーボネート樹脂という素材がコーティングされていて、軽量で通気性が良いのが特徴です。
ペツルのシロッコは、特に軽量化に優れています。
シロッコは、発泡ポリプロピレンという発泡スチロールより耐衝撃性が高い発泡素材を使用していて、頭頂部のみポリカーボネート樹脂コーティングされています。
この発泡ポリプロピレンの使用は、Sサイズで160g、Mサイズでも170gとマディーロの二分の一以下の軽さを実現しています。
もちろん、EN規格・UIAA規格の基準は満たしていますので、長時間の装着が予想される登山や、大量に汗をかく夏のシーン・とにかく軽量化をしたいという方は、ペツルのシロッコのヘルメットを選んだ方が満足できるでしょう。
マディーロは、折りたたみ式ではあるものの、実際使ってもみると普通の登山用ヘルメットと見た目は変わりません。
しかし、シロッコなどのインモールドタイプのヘルメットは、強度を保つために発泡スチロールが厚くなっているので、どうしても頭でっかちなシルエットになりやすくなっています。
マディーロがおすすめな人はこんな人
マディーロはヘルメットの持ち運び易さを重視する人におすすめです。
また、できるだけ外付けはしたくない方にも、折りたたみ式のマディーロは非常に便利なヘルメットとなるでしょう。
現在は、ヘルメットホルダーを使って収納するスタイルが主流ですが、ヘルメットに限らずザックへの外付けは様々な危険が潜んでいます。
例えば、どこかに引っかかったりするとバランスを崩して転倒する可能性があります。
また、細い道などで他の人にすれ違う際に人とぶつかってしまった場合は、自分だけではなく相手にも危険が生じます。
他にも、風に煽られたり、いつのまにか無くなっていたりすることも少なくなく、ザックに収納できるのであればしたほうが越したことはないでしょう。
それ以外でも、クライミングや沢登り・ケイビングなどは、持ち運び易いヘルメットが重要で、役に立つ場面も多いでしょう。
これらのアクティビティでは、頭を岩などに頻繁にこすりつけてしまうようなシーンが非常に多く、外殻の強度が非常に大切になってきます。
マディーロの外殻はABS樹脂という剛性・耐衝撃性に優れた素材を使っているので、多少岩に頭をぶつけても大きな怪我につながる危険性は低いでしょう。
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