雪山登山は、厳しい環境と美しい景観の中での挑戦です。
その中でもツェルト泊は、最小限の装備で自然と共存するスキルを磨く絶好の機会です。
私のようなオタクにはワクワクが止まらない最高の場所なんです
とはいえ、初めて挑戦する場合、事前の知識と準備がカギとなります。
ツェルト泊の基本的なやり方や注意点はもちろん、万が一のビバークの知識も必要です。
本記事では、初心者が知っておきたいツェルト泊の準備や設営の基本から、安全に過ごすためのポイントをまとめました。
ツェルト泊の知識は実は雪山に行く誰もが知っておくべきものなんだ。
進んで飛び込む変態じゃなくても、やり方と準備だけはしておこう
次は、具体的な手順と安全のための心得について詳しく説明していきます。
ツェルトとテントの機能の違い
ツェルトは簡易テントとも呼ばれ、テントよりも軽く、携帯性に優れています。雪山では主にビバークに使われ、いざというときの備えとして持ち歩く人が多いです。
今回はそんなツェルトをテントの代用品として積極利用してみました。
ツェルトの特徴は、軽いというメリットの反面、薄い、狭いといった居住快適性の悪さがあります。
ただでさえ重い雪山テント泊の装備を軽くするのにツェルトを取り入れることはできるでしょうか?
本記事で検証に使ったテントはプロモンテのVL26T(冬用外張りなし)
ツェルトはヘリテイジのエマージェンシーツェルトです。
それ以外の防寒の道具としては、マットにZライトソル+ウルトラライトインサレーティッドマットを使っています。
サーマレスト: Zライト ソル
シートゥサミット: ウルトラライト インサレーティッドマット
ツェルトを使ったビバーク手法について
不測の事態で日帰り下山ができなくなったとき、雪面を掘り下げてツェルトでビバークしたりします。そんなときのために日帰りでもスノーショベルは持ち歩きましょう。
穴の天井をツェルトで塞ぐだけでテント泊以上の暖かさが得られます。
年越しを八ヶ岳(赤岳鉱泉)ツェルト泊で過ごした感想
テント泊との違いを明確にするため、同じ週に上高地て雪山テント泊をしました。記憶に新しい状態での比較なので、実態に基づいて記載できていると思います。
赤岳鉱泉(晴天:最低気温-14度くらい、弱風)
上高地 (吹雪:最低気温-10度くらい、やや強風)
寒さの感じかたは個人差が大きいので、あくまで参考まで
私はかなりの寒がりで8月の北アルプステント泊でも、
リッジライトソル+モンベルダウンハガー800#3+ウルトラライトダウン+エスケープヴィヴィライトという重装備です。
夏は寝袋なしでシュラフカバーでも行ける人もいることを考えればかなりの寒がりです。
おそらくほとんどの方は私より防寒少なめで十分かと思います。
上高地でのテント泊では、テント内は外気温+5度くらいでテント内に置いたウインナーが冷凍状態になっていました。
その寒さとは裏腹に足元までぽかぽかでとても過ごしやすく感じました。
それに対して赤岳鉱泉でのツェルト泊はやや足元が寒く感じました。ツェルト内の気温は、テント泊の前室と同じくらいに感じました。
とは言っても早朝最も寒い時間帯になるまで一度も起きなかったので、眠れないほど寒いということはありませんでした。
あとは熱効率的にウルトラライトダウンを減らして、ホッカイロ マグマを増やした方があったかく感じることがわかりました。
テントとは温度計を使わなくてもわかるくらいには温度差がありますので、ホッカイロを多めに用意しておくと安心できると思います。
寒さ以外では表面が氷結しますが濡れるわけではないので、夏より快適なくらいでした。もちろん中で煮炊きをすれば結露は多くなると思いますので、その点はシングルウォールテントと同じです。
雪山でのツェルト泊の注意点
テント泊当たり前の注意点もありますが、ポイントをまとめました。
・寝袋のジッパーは全て閉める。外の空気に触れる部分は最小限に
・暗くなる前に保温グッズは全て身につける
・ヘッドライトは枕元に
・マットは寝袋内に入れるのを推奨
・ペグ固定をテント以上にしっかりすること
・マットは寝袋内に入れるのを推奨
・道具は寝袋内に入れる
・マットは寝袋内に入れるのを推奨
寝袋のジッパーは全て閉める。外の空気に触れる部分は最小限に
寝袋の収納時はジッパーを全て締めるとしまいにくいので、空けていることが多いのですが、これを閉め忘れると寒いです。
全てのジッパーを締めても顔は寒かったりするので、帽子+バラクラバも持っていくようにしましょう。
暗くなる前に保温グッズは全て身につける。
ツェルトは狭く、中でザックの中から道具を探すのは苦労します。明るいうちに整理しておきましょう。ザックは外に置くのも一つの手です。
ヘッドライトは枕元に
ヘッドライト(ヘッドランプ)がないと真っ暗で困ります。明るいうちに用意しておきましょう。私はヘッドライトは2つ使う派なので、1つはツェルトで付けっぱなしです。
枕元に置くのはソーラーランタンでもokだよ
整地は必ず。ずり落ちます。
新雪は固めないと安定しないです。傾斜がある状態ではマットの上で寝てもずり落ちて地面から熱を奪われます。
マットは寝袋内に入れるのを推奨。
マットは寝袋に入れることで滑りにくくなります。これはマットの種類によって下に敷くものと寝袋の中に入れるタイプが分かれるので、お使いのマットの仕様に合わせましょう
ペグ固定
自立式ではないので、テント泊以上にペグ固定が重要です。割り箸ペグやしゃもじを削ったしゃもじペグなど、状況によって合わせたペグで固定しましょう。
ペグが効かない場合はビニール袋に雪を入れて埋めましょう。
ペグなし縛りでやったことあるけど、
以外と手ごろな太さの枝って見つからなくて苦労するよ
見つかっても枯れてて強度が足りなかったり難しいんだ
寝袋内に道具を入れる
凍って困るものは何でも寝袋に突っ込みましょう。
靴、携帯、バッテリー、飲み物、ガス缶、ゲイター、手袋等を入れましょう。手袋やゲイターは乾燥していれば入れなくてもok
靴については赤岳鉱泉などの山小屋の隣のテント場なら、足が入るように広げておけば、寝袋にいれなくてok。翌日山小屋で溶かせば履けます。
ガス缶は入れておかないと、火力調整が安定しません。
僕はザックカバーを2つ持って行ってビニール袋に入れてからくるんでつっこんでるよ
初めての雪山ツェルト泊は山小屋の隣がおすすめ
これまでツェルト泊の注意点をまとめました。普段はテント泊をする人も雪山に登るなら一度はツェルトの使い方を身につけておくことをおすすめします。
ツェルトは日帰りでも持ち歩きましょう。
そして始めてのツェルト泊は山小屋の隣のテント場をおすすめします。
寝るとき以外は山小屋でご飯を食べたりできますし、トラブル発生したり忘れ物があっても購入できたりします。
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