ジェットボイルは、登山をしている方ならほとんどの方が知っている、最強の湯沸かしバーナーですよね。
クッカーとバーナーをセット設計することで、軽量でコンパクト、高い熱効率であっという間に水を沸騰させることができます。
今回はそんな登山用バーナーの理想形の1つと言える、ジェットボイルの各モデルについて解説していくので、ジェットボイル選びの参考にしてくださいね!
あまり知られていませんが、ジェットボイルは普通のクッカーを使った調理に使うこともできます。
読み飛ばしガイド
ジェットボイルとは?
ジェットボイルは、軽くてコンパクト、湯沸かし速度の速いバーナーです。
軽くてコンパクトな理由は、アルミ製のクッカーとバーナーを合わせて設計することで、クッカー内にガスカートリッジやバーナーを収めて運ぶことができるからです。
肝心の湯沸かし時間は、モデルによりますが500mlの水をたった100秒で沸かすことができます。
また、あまり知られていませんが調理にも使うことができ、調理用のゴトクが付属しているのはもちろん、オプションで鍋やフライパンもラインナップされています。
さらに、寒さに強く燃料消費が少ないのもジェットボイルの特徴の1つです。
ジェットボイルの種類
ジェットボイルには全部で6種類のモデルがあります。
・湯沸かしに特化したモデル
・調理にも向いたモデル
・200gと軽いモデル
・雪山でも使えるモデル
・機能をしぼったコストパフォーマンスの高いモデル
・グループ登山に向いた大容量のモデル
などです。
豊富なラインナップで、自分の使用目的に合わせたモデルを選ぶことができます。
ジェットボイルのサイズ感・外観
ジェットボイルの外観は、特徴的な見た目をしています。
クッカーの底面に、フラックスリングと呼ばれる熱を効率よく伝える、波型の板がついています。また、ネオプレン製の取っ手付きの保温カバーがクッカーについており、調理中でも素手でクッカーを扱うことができます。
サイズ感はフラックスリングが付いている分、他のクッカーよりもやや大きめになっています。
しかし、クッカー内にすべてのパーツを入れて運ぶことができるので、運搬時はむしろコンパクトです。
購入時の付属品やオプション
ジェットボイルは、クッカーとバーナー、バーナースタビライザー、蓋が全てのモデルに付属していて、モデルによってバーナー収納袋、調理用のゴトクなどが付属しています。
また、オプションでコーヒープレスやガスカートリッジの残量を見るジェットゲージ、ジェットボイルを吊り下げることができるハンギングキットなどがあります。
着せ替え用のネオプレンカバーもあり、自分好みのカバーに変えることもできます。
その他に、調理用のフライパンもラインナップされているので、調理を行いたい方はそちらもチェックしましょう。
ガスカートリッジは別売りなので注意しましょう。
ジェットボイルの仕組み
ジェットボイルは、高効率で高断熱な仕組みになっています。
具体的には、クッカーの底にフラックスリングと呼ばれる機能が付いていて、効率良くバーナーの熱をクッカーに伝えることができます。
その他にもクッカーの外周にはネオプレンのカバーが付いており断熱性が高くなっています
また運搬時は、全ての部品をクッカーに収納することができる仕組みになっています。
ジェットボイルを選ぶメリット・デメリット
ここでは、ジェットボイルを選ぶ時のメリットデメリットについてまとめました。
ジェットボイルを選ぶデメリット
ジェットボイルのデメリットの1つ目は、約13,000円~25,000円と価格が高いところです。
通常であれば、バーナーとクッカーいくつかを購入しても10,000円前後、チタン製のクッカーでも15,000円程度です。
2つ目のデメリットは消耗品のガスカートリッジの価格もやや高いところです。100g缶で605円(税込)、230g缶で770円(税込)と、他社よりも10%ほど高い価格です。
3つ目は、調理がやや苦手なところです。ほとんどのモデルのクッカーは縦長で、調理をするには不向きな形です。
調理にも使いたいという方は、クッカーが広口で浅型のミニモというモデルや、オプションのフライパンやポット(鍋)を購入すると良いでしょう。
ジェットボイルを選ぶメリット
ジェットボイルを選ぶメリットの1つ目は、なんといっても湯沸かし速度の早さです。
最も湯沸かし速度の速いフラッシュは500mlの水を約100秒で沸騰させることができます。その他のモデルでも約150秒ほどです。
2つ目のメリットは、クッカー内に効率よくバーナーなどを収納でき、コンパクトに運べるところです。
また、収納したものが中で暴れにくいように作られているので、快適に持ちはこぶことができます。
3つ目は、冬山など気温が低い場所でも安定した火力が出せるところです。モデルによりますが、サーモレギュレーターという低温でも火力を安定させる仕組みがあるからです。
この仕組みは、弱火でも火力を安定させることができるので、調理などを行う際にも活躍します。冬山や調理メインで考えている方はサーモレギュレーターの付いたモデルを選ぶことをおすすめします。
ジェットボイルの評判・口コミ
ここでは、実際にジェットボイルを使っている人の口コミをまとめました。
実際に使っている人の意見を参考に、自分に向いたモデルを見つけましょう。
悪い口コミ
まずは悪いクチコミです。
ジェットボイルはモデルにより特徴がはっきりしています。
そのため、モデルによって一部の機能を省いています。購入する時には注意が必要ですね。
ガスカートリッジの価格が高いですが、少ないガス量でお湯を沸かすことができるので、それ程コストパフォーマンスは悪くありません。
良い口コミ
次に良いクチコミです。
なんといってもお湯を沸かすスピードが早いことに満足しているクチコミが多いです。
また雪山や強風時など、季節や天候に左右されないのも満足度が高い理由の1つのようですね。
ジェットボイルの特徴に満足しているのがわかる口コミです。
ジェットボイルの基本的な使い方
ここでは、ジェットボイルの使い方について記載していきます。
調理での利用方法についても記載するので、いつもはお湯を沸かすだけという方も、調理に挑戦してみてくださいね。
購入直後の確認
購入したら、
・付属品が全て揃っているか
・コジーとクッカーがしっかりと付いているか
・点火装置が壊れていないか
・ガス缶とバーナーをつないでガスが漏れないか
を確認しましょう。
山で使えないと命にかかわることもあります。
調理での利用方法
付属のクッカーは水などの液体を温めることに特化しているので、調理で使う場合はスープやおかゆなど水分の多い料理で使うのが、クッカーにやさしくおすすめです。
本格的に調理をしたい場合は、付属のゴトクとオプションのフライパンなどを使うことでレシピの幅を広げることができます。
ジェットボイルのような高機能なバーナーを、お湯を沸かすだけで使うのはもったいないので、積極的に調理にも使っていきましょう!
基本的にジェットボイルは揚げ物の調理はできません。
また、一部のモデルは湯沸かし専用モデルなので、使うモデルが調理に使えるか確認しましょう。
ジェットボイルの選び方
ジェットボイルは現在6種類のモデルがラインナップされています。
ここでは、それぞれのモデルの違いについて記載していくので、選ぶ時の参考にしてくださいね。
大きさと重さ
それぞれの大きさと重さを記載します。
軽いモデルが良い人はスタッシュ、複数人で使う場合はスモーが向いていることがわかりますね。
ジップ | ミニモ | フラッシュ | マイクロモ | スモー | スタッシュ | |
重さ | 345g | 415g | 400g | 340g | 453g | 200g |
容量 | 0.8L | 1.0L | 1.0L | 0.8L | 1.8L | 0.8L |
お湯が湧くまでの速さ
ジェットボイル最大の特徴である、沸騰までの時間をまとめました。
フラッシュが圧倒的に早く1分40秒、その他は2分30秒前後と横並びです。
ジップ | ミニモ | フラッシュ | マイクロモ | スモー | スタッシュ | |
沸騰までの 時間 | 2分30秒 | 2分20秒 | 1分40秒 | 2分20秒 | 4分45秒* | 2分30秒 |
弱火が維持できるか
どのモデルも火力調整ノブが付いているので、火力の調整はできます。
ですが、気温の低い雪山やガス残量が少なくなっても炎を安定させるサーモレギュレーターが付いているモデルは、より安定して火力の調節をすることができます。
しかし、この装置は全てのモデルに搭載されているわけではありません。
サーモレギュレーター付きのモデルはマイクロモ、ミニモ、スモーの3モデルです。
点火装置が付いているか
ジェットボイルは、点火装置の付いているモデルと付いていないモデルがあります。
スタッシュとジップには点火装置が付いていないので、ライターなどを忘れないようにしましょう。
寒い季節に使えるか(サーモレギュレータが付いているか)
弱火の項目で紹介したサーモレギュレーターは気温の低い環境での火力を安定させる役割もあります。
雪山登山など、寒い環境での使用はマイクロモ・ミニモ・スモーがおすすめです。
おすすめのジェットボイル
ここでは各モデルの特徴を一覧表にしました。
また各モデルについても解説していくので、選ぶ時の参考にしてくださいね。
タイトル | ジップ | ミニモ | フラッシュ | マイクロモ | スモー | スタッシュ |
沸騰時間 (0.5L) | 2分30秒 | 2分20秒 | 1分40秒 | 2分20秒 | 4分45秒 (1.0L) | 2分30秒 |
重さ | 345g | 415g | 400g | 340g | 453g | 200g |
容量 | 0.8L | 1.0L | 1.0L | 0.8L | 1.8L | 0.8L |
点火装置 | なし | あり | あり | あり | あり | なし |
サーモ レギュレーター | なし | あり | なし | あり | あり | なし |
特徴 | リーズナブルな価格 | 広口のクッカー | 最速沸騰 | 機能全部入り | 大容量 | 軽い |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
ジェットボイル ジップ
ジップは機能を絞って価格を抑えたモデルです。
点火装置とサーモレギュレーターはついていません。
ですが、上記ふたつの機能は便利ですが、無くてもジェットボイルの良さである沸騰時間にはあまり影響は有りません。
また、火力調整ができてゴトクも付いているので調理にも使うことができます。
初めて購入するジェットボイルとして、また機能はシンプルで良いという方におすすめです。
沸騰時間 :2分30秒(0.5L)
重さ :345g
容量 :0.8L
点火装置 :なし
サーモレギュレーター:なし
定価 :13,200円(税込)
ジェットボイル ミニモ
ミニモは、広口のクッカーが特徴の調理にも向いたモデルです。
クッカー容量が1Lと少し大きく、他のモデルより2cm広口のクッカーで、点火装置もサーモレギュレーターも付いています。
高さも4.5cm低いので、スプーンや箸などを使いやすく調理に向いています。
価格は定価24,200円(税込)と高いですが、機能も充実して季節を問わず幅広い使い方ができるので、クッカーは一つで済ませたい、という方におすすめです。
沸騰時間 :2分20秒(0.5L)
重さ :415g
容量 :1.0L
点火装置 :あり
サーモレギュレーター:あり
定価 :24,200円(税込)
ジェットボイル フラッシュ
フラッシュは、2,269kcalの高火力で100秒と、ジェットボイルシリーズ最速でお湯を沸かすことができるモデルです。
クッカー容量は1Lと少し大きめで、カップラーメンとホットコーヒー分のお湯など、余裕を持って沸かすことができます。
もちろんゴトクも付いているので、別売りのフライパンなどで高火力を活かした調理をすることもできます。
サーモレギュレーターは付いていませんが、その分価格もリーズナブルなので、3シーズンしっかりと使いたい方におすすめです。
沸騰時間 :1分40秒(0.5L)
重さ :400g
容量 :1.0L
点火装置 :あり
サーモレギュレーター:なし
定価 :18,480円(税込)
ジェットボイル マイクロモ
マイクロモは、機能全部入りの4シーズン使えるジェットボイル最強モデルです。
クッカー容量は0.8Lで、点火装置とサーモレギュレーターが付いていて、重さも340gと軽い仕上がりです。
サーモレギュレーター付きで、低い気温下でも安定した火力を保つことができるのはもちろん、調理時も安定した火力を保つことができます。
軽くて4シーズン使えるので、ジェットボイルを使い倒したい方におすすめのモデルです。
沸騰時間 :2分20秒(0.5L)
重さ :340g
容量 :0.8L
点火装置 :あり
サーモレギュレーター:あり
定価 :23,100円(税込)
ジェットボイル スモー
スモーはクッカーが1.8Lと大容量で、グループでの使用に向いたモデルです。
点火装置とサーモレギュレーターも付いているので、シーズンや使い方を選ばず快適に使うことができます。
オプションのフライパンも手に入れて、調理や食後のコーヒーなど、みんなでワイワイ楽しみたいモデルですね。
沸騰時間 :4分45秒(1.0L)
重さ :453g
容量 :1.8L
点火装置 :あり
サーモレギュレーター:あり
定価 :25,300円(税込)
ジェットボイル スタッシュ
スタッシュは、200gとジェットボイル中で最も軽い次世代モデルです。
バーナーの形状が他のモデルと違いうので、ゴトク無しでも調理に使うこともできます。
点火装置もサーモレギュレーターも付いていませんが、とにかく軽いモデルを使いたい方におすすめのモデルです。
沸騰時間 :2分30秒(0.5L)
重さ :200g
容量 :0.8L
点火装置 :なし
サーモレギュレーター:なし
定価 :20,350円(税込)
合わせて購入したいオプション品
ジェットボイルは専用のオプション品が多く、そこも楽しめるポイントの1つです。
ここでは、オプション品の紹介をするので、自分の調理スタイルなどに合わせて一緒に購入の検討をすることをおすすめします。
ジェットボイル専用 オプションクッカー
ジェットボイルにはオプションのクッカーが3種類あります。
・1.5L セラミック フラックスリングクックポット
・1.5Lクッキングポット
・サミットスキレット
セラミック フラックスリングクックポットは、焦げ付きにくいように内側にセラミックコーティングがされた鍋で、炒め物から煮物まで大人数で幅広く使うことができます。
注意点はフラックスリングが付いているので、スタッシュのバーナーでは使うことができないところです。
サミットスキレットは、セラミックコーティングされたフライパンで、フライ返しも付属しています。ハンドルを折りたたむこともできるのでコンパクトにしまうこともできます。
ジェットボイルで使う場合はゴトクが必要になるので注意しましょう。
いずれのオプションクッカーも、ジェットボイルを使う幅を広げてくれるオプションなので、積極的に使っていきたいですね。
ジェットボイル グランデコーヒープレス、コーヒープレス
グランデコーヒープレスは、ミニモ・スモー・スタッシュといった広口タイプのクッカーでコーヒープレスをしたい場合のアイテムです。
コーヒープレスは、フラッシュ・ジップ・マイクロモで使えるプレスです。
ジェットボイルで食事を楽しんだ後は、コーヒータイムも楽しみましょう!
ジェットボイル ジェットパワー100G/230G
ジェットボイルシリーズ共通のガスカートリッジです。
クッカーに収めることができる小型の100Gと、大容量の230Gがあります。
ジェットボイル購入時に合わせて購入しましょう。
ジェットボイル ジェットゲージ
ガスカートリッジの残量を計測するアイテムです。
登山前はこれを使ってガスカートリッジの残量を確認しておきましょう。
ジェットボイル クランチット
使用済みガスカートリッジの処理に使うアイテムです。
ガスカートリッジの処理をするときに、ガス抜きと穴空けをする事ができます。
よくある質問
ここではよくある質問のひとつ、メンテナンスについて記載しますね。
ジェットボイルのメンテナンスは何をすればいいの?
1つは当然ですが、クッカーはしっかりと洗って保管することです。
また、まれにガスカートリッジの底面が錆びることがあります。そのまま使ってもほとんどの場合問題ありませんが、クッカーにしまう都合上できるだけきれいにしたいですよね。
そんな時は、金属製ではないたわしなどでこすると落とすことができます。
プラスチック製のフタなど縮んでしまった場合は、蓋をあたためそのまま容器にセットすると戻すことができます。
最後にバーナーやクッカー全般に言えることですが、登山前には必ず壊れていないか確認するようにしましょう。
まとめ
ジェットボイルは最強の湯沸かしバーナーです。
しかしそれだけではありません。
ジェットボイルならではの機能や火力を活かして調理にも使うことができ、そのためのオプションも豊富です。
また、ジェットボイルは軽くコンパクトなだけではなく、雪山でも使える4シーズンモデル、グループ登山で使えるモデルなど個性豊かなラインナップで、自分の使い方に合ったジェットボイルがみつかるはず。
みなさんも自分好みのジェットボイルを手に入れて、登山を楽しみましょう!
ジェットボイル以外のバーナーについての記事もあるので、これからバーナーを選ぶという方は以下も参考にしてくださいね。
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