山の天候は変わりやすいため、ほとんどの人が雨具を携行していると思います。
しかし、ザックカバーも常に携行しているでしょうか?
例えば4~5時間の日帰り登山ではザックカバーを使用する可能性は低いでしょう。
ザックカバーを携行しないという選択をする人もいるかもしれません。
しかし、ザックカバーはあると便利なものではなく必須装備です。今回はザックカバーの活用方法や有用性をご紹介していきます。
たった数十gで安全度が大きく上がるのがザックカバーです
ザックカバーは急な雨から荷物を守る
ザックカバーは雨天時にザックに被せておくことで、雨を防ぎ荷物が濡れないようにします。
ザックによっては最初から付属していることもありますが、なかったり、紛失した場合は買い替えることをおすすめします。
ザックカバーは、モンベルやノースフェイス・コロンビアなどほとんどのアウトドアメーカーから数多く販売されています。
メーカーによって素材や仕様が異なるため、自分のザックや好みに合ったカバーを選ぶとよいでしょう。
雨で着替えや寝袋が濡れると夏でも凍える
雨で着替えや寝袋が濡れると真夏の低山でもない限り、寒さに震えることになります。
標高が100m上がると0.6度気温が下がります。
加えて、風速1mの風が吹くと体感温度が1度下がると言われているのです。
例え、真夏だとしても高山では平地の真冬並みの寒さとなり、着替えや寝袋といった防寒具は、何としても濡らしてはいけません。
登っている時は問題ない時もあるかもしれませんが、休憩中や夜を越すときに着替えや寝袋が濡れていると快適な山行はできませんので必ずザックカバーを携行しましょう。
私は雨に濡れ、避難小屋に逃げ込んだこともありますが、着替えは干しても湿度が高すぎてなかなか乾かないことに驚き、困りました。
荷物を濡らさないというのは、非常に重要なんです
カメラが濡れたら嫌だなあ
ザックカバー利用をしていても背中側からの多少の雨の侵入は防げないので、できれば防水スタッフバック(ドライサック)との併用をおすすめします。
ここまで対策すればよほどのことでは濡れません。
ザックカバーはテント泊時の荷物の保護に使える
ザックカバーはテント泊のとき、荷物を結露から守るために使えます。
濡らしたくないモバイルバッテリーやカメラ、着替えなどを守ることができます。
小型のテント・ツェルトならザックカバーをつけて、荷物は外に置くのも快適です
冬の時期もテントの内・外の気温と湿度の差が大きくなり、内壁や荷物にたくさんの水滴が付着してしまいます。
↓分かりにくいですが、テント外にザックカバーに荷物を入れて置いてます。
小型のテントを利用する時には特に必須装備となっています。
結露を減らす方法はいくつかありますが、ゼロにすることは不可能に近いので、大切な荷物にはザックカバーをかぶせて結露から守ってあげると安心です。
ザックカバーの選び方
ザックカバーを選ぶ上で大事なのは、サイズと水抜けです。
ザック自体とサイズがあっているか
ザックカバーの性能を十分活かすのであれば、ザックの容量にあったものを選びましょう。
ザックの大きさ以上のザックカバーを選んでも使えないことはないですが、風にバタついてしまいます。
加えて、障害物にひっかかりやすくなり良いことはありません。
必要な機能が備わっているか
山行中に使うザックカバーには最低限備わっていてほしい機能があります。
一つは水抜きです。
水抜きは、ザックとカバーの隙間から侵入した水を外に逃がしてくれる排水口のことです。
メーカーによって仕様は違いますが、登山用であればほとんど付いています。
二つめは、ザックにしっかり固定できるドローコードやベルト類です。
雨風の強い山行中では、しっかりと固定させないと外れてしまう可能性もあります。
一か所だけではなく数か所で固定できるものを選ぶと安心です。
おすすめのザックカバー
各アウトドアブランドから出ているザックカバーは、それぞれ多少特徴の違いはありますが、これが一番優れているといえるほど大きなスペックの差はありません。
しいて言えば見た目と収納袋の好みの問題でしょうか。
とにかくかっこよくておすすめなのは、ノースフェイスのスタンダードレインカバーです。
真ん中より少し上ににノースフェイスのロゴが入っていて目を引きます。
ワンポイントなのでシンプル、とてもかっこいいです。
また、スタンダードレインカバーの収納袋は一体型なので、なくす心配もないのでおすすめです。
どれか迷ったらノースフェイスのスタンダードレインカバーを検討してみてください。
メーカーにこだわらないならBEACO:レインカバー
登山だけでなく、通勤・通学でも利用されることが多いザックカバーです。
雨傘が耐水圧300mmと言われているから、性能としては十分
ただ重い荷物を入れて雨の中濡れた地面に置くと染み込むリスクはある。
地面に置く可能性を想定するなら、ここよりしたで紹介する登山メーカーのザックカバーの方がおすすめ
耐水圧:2000mm
サイズ
【S】15〜25L
【M】25〜35L
【L】35〜50L
【XL】50〜65L
【XXL】65〜80L
ノースフェイスのザックカバー
ノースフェイスのザックカバーはスタンダードレインカバーとコンバーチブルカバーの二種類あります。
二種類とも軽量で耐久性のあるリップストップナイロンという素材を使用しています。
ノースフェイス:スタンダードレインカバー
スタンダードレインカバーは、その名の通りザックカバー定番の形状をしています。
背面にはドローコードとザックに固定するベルトも付いているので強風の時も安心です。
ノースフェイス:コンバーチブルカバー
コンバーチブルカバーは、上部が雨蓋式になっているため装着したままカバーを開けられるので手間が省けます。
ザックに固定するベルトも横方向だけではなく縦のベルトでたるまないように調節が可能です。
グレゴリーのザックカバー
シリコンでコーティングされたポリエステル素材のザックカバーです。
撥水性に優れ、超軽量かつコンパクトに収納可能。
スナップ・ベルクロ式のループがついていてしっかりザックを固定することができます。
収納ケースも一体型になっているので、なくす事も少ないでしょう。
イスカのザックカバー
アウトドアに適したコーデュラという素材を採用した耐久性が高く超軽量なザックカバーです。
上部のコードストッパーでフィット性を調節し、背面のストラップがザックを固定します。
底部分の水抜きは大きめにできているのが特徴です。
21-30L:カリマーのザックカバー
カリマーのレインカバーです。少しゴムがきつめなので、サイズぴったりでないと対応できません。逆に言うと着用時にずれずに安心できます。
生地厚なナイロン素材で作られた耐久性の高いザックカバーです。
PUコーティングを施し、防水性も高くなっています。
内側の、ベルクロとドローコードで、ザックをしっかりと固定でき、フィット感も調整可能です。
レインカバー兼、ザックの中身を整理する用に購入しました。マジックテープなのでザックに取り付けやすく、サイズもぴったりでいい感じです。慣れるまで袋にしまいなおすのに苦労しました。
amazonレビューより
20-30L:ミレー レインカバー
ミレー愛用者に長く使用されているレインカバーです。
ナイロン生地にシリコンを染み込ませた強度の高いシルナイロンを採用しているザックカバーで、
背面にはストラップがついていて風飛び防止する工夫が施されています。
ミレーが大好きなので、30Lザック用に買いました。何の文句もありません!
amazonレビューより
35-50L:マムート レインカバー 140g
マムートのロゴがカッコよく使っている方も多いです。ロゴデザイン以外に特筆することはないので、2つ下のオスプレーのモデルでも代用できます。
15-45L:マーモット:レインカバー 114g
Sサイズ(15〜30L)、Lサイズ(30〜45L)の2サイズ展開のレインカバーです。マーモットのザックを使っている人は揃えた方がカッコイイです。
それ以外の方であれば、1つ下のオスプレーのモデルの方が幅広く使えて便利です。
50-75L:90gの軽量モデル オスプレー:ULレインカバー
軽く、持ち運びが苦にならないモデルです。このレインカバーに限った話ではありませんが、テントマットを外付けするとザックカバーに収まらないので、その点はご注意ください。
ULレインカバーは強度の高いリップストップナイロンを採用していますがとても軽量なレインカバーです。
上部にバックル、ハーネス付近に通しゴムがついていて固定しやすい仕様になっています。
ジーニス75に使ってます。
純正品だけあって無駄がないです。
凄く薄くてかなりコンパクトになります。
値段以外は大満足w
amazonレビューより
内から守るパックライナーというものもある
ザックカバーはザック内への雨の侵入を防ぐものです。ですが別の考え方としてザック内で荷物が濡れるのを防ぐパックライナーというものもあります。
パックライナーとは、防水性能がついたスタッフサックです。
どうしても濡らしたくない荷物がある場合や、沢登り・渓流釣りの際はザック内の防水対策は必須となるでしょう。
ザックカバーは、表面の濡れや汚れから守ってはくれるものの、背中からの侵入は防げないので防水としては不十分です。
一方、パックライナーだけ使用しても、中の荷物は保護することはできますが、ザックそのものが水分を含んでしまい重くなります。
そこでザックカバーとパックライナーを一緒に使用することでザックも中の荷物も確実に保護できるでしょう。
ザックカバーはゴミ袋で代用できる?
ついつい忘れがちなザックカバーですが、不測の事態ではゴミ袋で代用ができます。
大きめのゴミ袋をザックに被せてゴミ袋の口に隙間をできないように小さく結べば、ある程度の雨や風の侵入を防ぐことはできます。
ただ繰り返し使用には向かないので、できればザックカバーをおすすめします。
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