マムートの『BARRYVOX』(バリーボックス)は非常に評価が高いビーコンで、ダントツ一位の人気です。
ですが、『BARRYVOX 2』と『BARRYVOX 2S』という良く似た製品が出ていて、その違いがわかりにくいです。
本記事では両者の違いについてまとめました。
超簡単に言うとSはアナログモードなど捜索性能がさらに高められたものです。
結論を先に言うと、趣味で使う程度なら価格が安く扱いやすい「バリーボックス2」
救助や山岳ガイド等の仕事で使うなら「バリーボックスS2」を選べば間違いないでしょう。
↓マムートだけじゃなくて、総集編を見たい方は以下の記事を見てね
Barryvoxは最も評価の高いビーコンといっても過言ではない
マムートのBarryvoxは45年以上の歴史がある定番モデルです。歴史あるモデルはそれだけ売れ続けているので、安心感があります。
このビーコンは、雪崩が発生した際にセルフレスキューを行うための重要なツールとして設計されました。「Barryvox」という名前は、雪崩救助犬のBarryに由来し、Barryの名前に「遠吠え」を意味するラテン語の「Voxx」を組み合わせたものです。
2000年代には高性能だけど高いビーコンとして注目された
2000年頃には技術の進歩に伴い、ビーコンの性能が向上しました。特に、ユーザーインターフェースが改善され、初めて使用する人でも直感的に操作できるようになりました。
2021年~2023年は安いのに高性能な最強のビーコンとして覇権を握った
2021年には、「Barryvox S」と「Barryvox」の価格改定が行われ、より多くの人々が手に入れやすくなりました。
この改定は、マムートが160周年を迎えることを記念したものであり、安全性を高めるための取り組みとして位置づけられています。
2021年以降、特にビーコンといえばマムートという評判が定着しました
2024年 新商品の「Barryvox S2」と「Barryvox 2」が登場した
今回はそんな最新のマムートのビーコンに注目してみました。
バリーボックス2とバリーボックスS2です。
分かりにくいバリーボックスS2とバリーボックス 2の違い
商品名 | 新モデル Barryvox 2 | 旧モデル Barryvox | 新モデル Barryvox S2 | 旧モデル Barryvox S |
アップデート費用 | 無料 | 約3300円/1回 | 無料 | 約3300円/1回 |
価格目安 | 45,296 ~ 51,500円 | 42,914 ~ 51,500円 | 56,600 ~ 59,800円 | 59,400円 (在庫不足で高騰) |
捜索帯域幅 | 70m | 70m | 70m | 70m |
探索方式 | デジタル | デジタル | デジタル アナログ | デジタル アナログ |
重さ | 180g | 200g | 210g | 230g |
バッテリー(送信時) | 300時間 | 300時間 | 300時間 | 300時間 |
音声ガイド | あり | なし | あり | なし |
タイトル | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
新モデル変更ポイント
・各種設定やファームウェアのアップデートがスマホアプリ接続で自宅で可能
(旧モデルはアップデートに店舗で3,300円くらいかかってた)
・音声ガイダンスによる捜索の補助が追加
・単四電池3本⇒単四電池2本となり、20g軽量になった
結論から言うと、ガイドやレスキューの方以外はバリーボックス(Sが付いていない方で十分です)
その方が安いので、浮いた分他の装備に回した方が経済的です。
バリーボックスSのカタログ上には「複数埋没した際にバイタルデータから生存可能性の高い人から優先的に救助する機能」が記載されていますが、日本を含むアジア圏では適用されていません。
そのために欧米圏と違っておすすめ度が下がります。(説明書にはアジア圏適用外とは書いてないので注意)
一番の違いはアナログ対応しているか
バリーボックスSはデジタル/アナログ一体型であることが一番のメリットです。
ですので、このメリットを大きく受ける人はバリーボックスSを選ぶべきです。
ではそれはどんな人でしょうか?
答えはアナログのビーコンを使いこなせる訓練を受けたことがある人、購入後に受ける予定の方です。
今のビーコンはマムートに限らずほとんどがデジタルモードしかありません。
これはアナログの場合、画面表示ではなく音で捜索するため、ある程度の訓練と慣れが必要だからです。
なので、日常的に救助に関わるガイドやレスキューの担当の方でなければ、大きなメリットは得にくいです。
捜索範囲は性能表記上で差はありませんが、アナログモードを使いこなせるならバリーボックスSの方が探索しやすくなります。
バリーボックス Sはリチウム電池が使用可能
バリーボックスSはリチウム電池が使用可能になっています。
一般的にアルカリ電池の2倍の持ちがあると言われていますので、バリーボックスSの方がバッテリーの持ちが良いと言えます。
同じくリチウム電池が使用できるビーコンとして、PIEPSのプロBTがありますが、捜索帯域幅も軽さもバリーボックスSが上です。
価格的優位はPIEPSのビーコンにありますが、そもそもバッテリーの持ちを重視する方は価格で決めることはないと思います。
持続力で選ぶならバリーボックスSになるでしょう。
価格はバリーボックス(Sが付いてない方)が安い
バリーボックス Sはバリーボックスに比べて高いです。
なので上記のアナログ探索モードを使いこなせないなら過剰な性能となることになります。
あなたがビーコンを必要とする理由を考えて選ぶようにしましょう。
AMAZONで購入するなら4万以下で手に入ることもあるので、在庫があるか確認してみましょう。
マムート:BARRYVOX 2
マムート:BARRYVOX S2
マムートビーコン(Barrybox)の使い方
マムートビーコンの登録方法
(Barryboxデジタルモードも同じ)
これについては公式サイトのマニュアルを見た方がわかりやすいでしょう。
購入したら初期設定からサーチの仕方などボタン操作は目で見ずにできるように、覚えておきましょう。
マムートビーコンの性能
電池の持ちはどのくらい?
電池の持ちは、アルカリ/約300時間(SEND)、1時間(SEARCH)。リチウム電池ならこの2倍くらいになるでしょう。
受信待機時間なら300時間あるので問題ないでしょう。
捜索探索時間が1時間と短い点には注意です。といっても1時間以上埋没者を探すような状況はないので、それほど気になることではないでしょう。
探索性能はどれくらい?
探索帯域幅は70mと広く、70mもあるビーコンは数少なく、これだけで優秀な性能を持つことがわかります。
バリーボックスSの方は「検索ストリップ幅(アナログ)/100m」とさらに広くなります。
他ビーコンと比べたメリットは?
老舗の安心感と探索範囲の広さ
やはり45年以上もの歴史あるマムートのビーコンを選ぶという安心感があることです。
そして、バリーボックスでもバリーボックスsでも探索範囲が広いことです。
ビーコンの目的は埋没者の捜索なので、捜索帯域幅70mは魅力です。
同じくらいの帯域幅のアルバ アバランチビーコン NEO(ネオ)+がありますが、バリーボックスとほぼ同性能同価格ですが、バリーボックスの方がわずかに軽いので、バリーボックスの方が良いと思います。
操作性に関してはアルバのビーコンも使い易いので大差なし。
2022年、2023年頃はアルバも安かったので魅力だったのですが、
昨今の円安で割高になったため、マムートの方が今はおすすめです
他ビーコンに比べたデメリットは?
商品名 | マムート バリーボックス2 | マムート バリーボックスS2 | オルトボックスZOOM+ | アルバ EVO5 | PIEPS マイクロBT |
特徴 | 8割が選ぶ定番 高性能 | プロ向け 性能にこだわる人向け | 安さにこだわる人向け 操作性は変わらない | 軽量で扱いやすい 日本でも入手しやすい | 超軽量でバックカントリーで人気 |
捜索帯域幅 | 70m | 70m | 40m | 40m | 50m |
価格 | \45,000円 前後 | \5,7000円 前後 | \39,000円 前後 | \43,000円 前後 | \48,000円 前後 |
探索方式 | デジタル | デジタル アナログ | デジタル | デジタル | デジタル |
重さ | 180g | 210g | 200g | 170g | 150g |
バッテリー(送信時) | 300時間 | 300時間 | 250時間 | 200時間 | 200時間 |
アンテナ | 3本 | 3本 | 3本 | 3本 | 3本 |
詳細 | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る | 詳細を見る |
価格が高い
値段が高いというのが一番のデメリットです。逆に言えば高くても信頼性の高いものを買うならバリーボックスSは最良な選択肢となります。
一方で予算の都合があるなら、性能は落ちますが、3本アンテナで最低限の実力はあるオルトボックスになります。
実際にamazonの販売数を見てもこの2つが2topなので、性能重視か予算重視かで決めれば良いと思います。
コンパクトさ、軽さは最良ではない
マムートのバリーボックスsは登山において性能を求めた場合、最良の選択になると思います。
ですが、携行性の高さは、最良ではありません。
ですがバックカントリーのようなより荷物を軽量化したいケースでは携行のしやすさという点では、ピープス(PIEPS)の: マイクロBTの方が150gと軽く、人気があります。
価格が高いかつ、性能評判はマムートの方が高いという難点を加味しても軽い方が良い方はこちらになります。
性能よりも軽さが重要と考える人に限っては、
piepsがおすすめです。バックカントリーツアーでレンタルしたりすると、
piepsのビーコンも見かけます
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