登山の翌日に筋肉痛になり、腰や足が痛くて歩きにくかったりすることはよくありますよね。
そんな筋肉痛について、
・筋肉痛になった場合の対処法と、
・筋肉痛になりにくい体の作り方
の2つについて、誰にでも出来る簡単な方法を記載します。
特に筋肉痛になりにくい体の作り方は、登山のみならず、ぎっくり腰対策や、慢性的な腰痛や肩こり持ちの方、冷え性にも効果があるので参考にしてくださいね。
この記事の結論
・筋肉痛は筋肉が成長している証拠!あなたが頑張った証です。
・翌日の筋肉痛は適切な栄養補給が重要
・歩けないほどひどい場合は整体やマッサージを利用するとかなり楽になる
・根本的解決には筋力向上と体を整えること
登山・山登りの翌日は筋肉痛がひどい
まずは簡単になぜ筋肉痛になるのかについて記載します。
どうして筋肉痛になるのか
実は筋肉痛の原因については諸説ありはっきりしていません。良く耳にするのは、
・疲労物質の乳酸が筋肉にたまるから
・乳酸が作られるときに筋肉が酸性に傾くから
・筋肉のエネルギー源が少なくなるから
・筋肉を極端に使うことで筋繊維に傷がつき、炎症が出ることで痛みがでる
だと思います。
上記のようにいくつか説があり、生化学的な原因ははっきりしていませんが、1つわかっているのは、
・普段使わない筋肉を使ったり、同じ筋肉を沢山使うと筋肉痛になる
というところです。
ここは非常に大事な所で、筋肉痛になりにくい体を作るうえでとても大切です。
筋肉痛はどれくらいで治る?
筋肉痛の程度によりますが、通常1週間くらいで治まると言われています。
1週間くらいで痛みが取れずに気になる場合は、病院に行っても良いかもしれません。
筋肉痛になりやすい場所
人間は歩くときは基本的に体の後ろ側の筋肉を使っています。
・背中
・腰
・おしり
・太もも
・ふくらはぎ
などです。これは大まかに筋肉の大きさの順番でもあります。負荷が大きい場合ほど大きい筋肉を使い、登山の場合は負荷がそれほどでもないので、背中や腰よりもおしりや太もも付近を使っています。
そしてバランスを取る時は足の指やふくらはぎなど小さい筋肉が使われています。
また、足を踏ん張る時にも腰から下の筋肉を使っています。
結果、登山の場合は登りでも下りでもこの部分を使い続けているので、下半身が筋肉痛になりやすくなります。
その中でも多くの方が筋肉痛になりやすい、おしりとふくらはぎの筋肉痛について説明しますね。
おしりの筋肉痛
おしりの筋肉は、股関節を動かすのに使う部分と言われているので、歩き続ける登山では最も筋肉痛になりやすい場所といえます。
ふくらはぎの筋肉痛
ふくらはぎの働きは、
・歩くときに体を前に進ませる
・バランスを保つ
・下半身の血液を心臓に戻すポンプ
の働きを持っていると言われています。
ふくらはぎは、登山ではつねに無意識に使われるので、筋肉痛になりやすい場所になっています。
筋肉痛になったときの対処法
筋肉痛の生化学的な原因がはっきりしていないので、これが正しい、という対処法はありません。つまり、それぞれの方がこれが気持ちいい!という方法があればそれが正しいということにもなります。
以下に一般的な対処法を記載しますが、独自の方法を見つけるのも楽しいと思いますので、色々と調べて試してみることをおすすめします。
下山直後
・下山直後の温泉では酷使した部位を冷水で冷やす
・ 「ビタミンB1」が含まれる食品を取り入れる
翌日以降
・暖めて血行を良くする
・ストレッチや軽い運動をする
・睡眠をしっかり取る
下山直後
下山直後の温泉では酷使した部位を冷水で冷やす
下山直後は冷水で酷使した部位を冷やします。
私の場合は水風呂で腰から下を冷やし、湯につかることを何度か繰り返しています。
冷水が欲しいので、温泉を選ぶときも水風呂があるかどうかは選ぶ基準にしています。
水風呂がない場合はシャワーで冷やしています。
「ビタミンB1」が含まれる食品を取り入れる
筋肉の回復には「ビタミンB1」が良いとされています。
車で登山に出掛けている場合、食べ過ぎると眠気がひどくなります。
現地では「そば」や軽食で済ませ、家に帰ってから肉料理を取り入れるのが理想です。
お腹が減ってるときに美味しい店を見つけるとつい食べ過ぎてしまいますよね。
理想は上記の通りですが、現地のグルメは登山の楽しみの一つ。
あなたが楽しめる取り入れ方で大丈夫です。
私の場合、登山した日の寝る前には「プロテイン」も接種します。
ビタミンB1だけでなく、「糖質・タンパク質・水分」も疲労回復に効果があると言われていますので、激しい運動の前後には活用しても良いと思います。
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翌日以降
筋肉痛が残っている場合に、ストレッチや軽い運動をするのは賛否あると思いますが、1つの方法としておすすめされています。
基本的に筋肉痛が残っている場合は体を休ませて、バランスの良い食事と睡眠をしっかりとることが一番です。
ストレッチや軽い運動をする
基本的に筋肉痛がある場合は、体を休ませるのが良いですが、どうしても体を動かしたい場合は以下を意識すると良いです。
・痛みのある場所は避ける運動やストレッチをする
です。たとえば下半身に筋肉痛がある場合は、下半身を使わないストレッチや運動を行います。ストレッチであれば、
・首
・肩回り、肩甲骨
・腕、手指
・脇
のストレッチを行います。運動を行いたいのであれば
・腕立て伏せ
・サイドベンチ
・リバースプッシュアップ
などの上半身を使った運動を行うと良いでしょう。
上半身を動かせば、筋肉痛の場所は休ませて体全体の血流を良くすることができるメリットもあります。
また、上半身を鍛えれば登山時に荷物を背負っていてもバランスが保ちやすくなるので、登山時に下半身の負担を軽くすることができますし、トレッキングポールもうまく使えるようになります。
睡眠をしっかり取る
いうまでもなく睡眠はとても大切です。しっかりと睡眠時間を取ることも大切ですが、早寝早起きを意識すると良いでしょう。
早寝早起きは健康の基本。
早起きに慣れて、早朝に出発することの多い登山のパフォーマンスを上げよう。
バランスの良い食事
筋肉痛の時は、壊れた筋繊維を治す必要があるので、より多くの栄養を必要としています。
どのようなものを食べると良いかは諸説ありますが、あまり気にせずにまんべんなく色々なものを食べると良いです。
量については、筋肉痛の時は多めに食べることを意識すると良いでしょう。上記のように修復を必要としているので普段より多めの栄養が必要だからです。
いっぺんにたくさん食べるのが苦手な方は1日3食にこだわらずに、1回の食事量をいつもの8割くらいに減らして、5食、6食と食べればトータルでたくさん食べることができます。
筋肉痛の時は、
・まんべんなく色々なものを食べる
・いつもよりも多めに食べる
の2点を意識しよう。
根本的解決には筋力向上と体を整えること
これまでは、筋肉痛の対処方法でしたが、ここからは筋肉痛になりにくい体を作る方法について記載します。
筋力を向上させると、登山時に筋肉痛になりにくいのはもちろんですが、運動をすると毛細血管が増えて血流が良くなり、栄養や老廃物質が運ばれやすくなります。
筋肉痛になりにくい体は、副産物として慢性的な腰痛や肩こり、冷え性の解消にもなり、ぎっくり腰になりにくい体でもあるので参考にしてくださいね。
筋力の向上
筋肉痛になりにくい体を作るために筋力の向上を行う場合、普段どの程度運動するかや、年齢によって行うことは変わってきます。ここでは、
・登山は月に1度か2度で日帰り登山メイン。翌日は筋肉痛になる。
・普段運動はしない。
・年齢は30台中盤から50歳強
の方を対象にします。
まず行うのは筋トレではありません。ストレッチです。ストレッチは軽い筋トレであると同時に、筋肉を意識するきっかけになるのでとても大切です。
急に筋トレをすると、体を痛めてしまうこともあるよ。
まずはストレッチをして体を慣らしていこう。
まずは1か月から2か月はストレッチのみ行うと良いでしょう。どんなに忙しくてもトイレに行くように、ストレッチもトイレに行くのと同じくらい健康に大切だと思って、できるだけ毎日行ってください。
どの部位を行うかですが、まずは
・首
・わきの下
・下半身(おしり回りと大腿四頭筋回り)
・屈伸
です。方法はネットで探すと色々とありますが、どんなストレッチも意識するのは以下です。
・ゆっくりと動かす
・しっかり呼吸をしながら行う
・力は入れずに抜く
・ストレッチしている筋肉を必ず意識する
です。
ストレッチを1か月ほど続けたら次は筋トレも併せて行います。筋トレは、腹筋と背筋をまずは行いましょう。
腹筋と背筋はベットの上で寝ながらできるから、最初に行う筋トレとしてとてもおすすめだよ。
コツは、初めのうちはあまり無理をせずに軽く行おう。
負荷をかけることよりも、長い期間行うことの方が筋肉痛対策には大事だよ。
腹筋の方法は、
・仰向けに寝て膝を立てる
・両腕を天井方向にあげる
・そのまま、手のひらが膝につくまで体を起こす
・この状態をキープする
です。コツは体を起こしたら、背中を丸めておへそを見るようなポーズをとることと、腹筋に力が入っていることを意識して行うことです。しばらく体制をキープして腹筋以外に力が入り始めたらそこで終了してください。
次に背筋は、
・うつぶせになる
・肘をついて上体を起こす
・おへそは床につけたままにする
・この状態をキープする
です。背筋のコツは状態を反らしすぎないことです。ここでも筋肉を意識して背筋に力が入っていることを意識してください。体が硬く肘をついて上体を反らすのが難しい方は、胸あたりに枕やクッションを挟んで状態を起こしても良いです。
回数や1回の時間は気にする必要はありません。筋肉を意識して目的の筋肉が疲れてきたらそこで終了です。
最後に下半身の筋トレは以下です。
・靴下を脱いでまっすぐに立つ
・足の指をにぎって前に進む
です。注意することは2点で、体を揺さぶって勢いをつけず、足の指の力だけで前に進むことと、足の小指まで意識してしっかりと指をにぎることです。
まずは30回行うことを目標とすると良いでしょう。足の指を握って進むだけですが、しばらくすると足の指先から腹筋まで下半身全ての筋肉を使っていることがわかります。
筋トレもできれば毎日続けると良いですが、痛みがある時は1日休憩しても良いです。筋トレは体にかかる負担も大きいので無理せずに続けることが大切です。
最後に筋トレやストレッチと合わせてジョギングもすると良いです。
ジョギングは最も効果的な下半身と全身のトレーニングです。また、心拍も鍛えることができますし、ストレス解消にもなります。
初めは歩くのとほとんど変わらない速度で良いです。距離はとれる時間に合わせて、3キロから10キロくらいが目安です。頻度は週に1回か10日に1回で十分です。
まず5kmは問題なく走れることを目標にしましょう。
なれてきたら徐々にスピードを上げていき、1kmを7分程度で走ることを目標にしてください。
理由はメッツという運動強度を表す数字があるのですが、登山は6~7メッツに分類されており、1km 7分のジョギングは8メッツなのでトレーニングとしてはちょうど良いからです。ちなみにウォーキングは2~3メッツなので、登山のトレーニングとしては少し負荷が軽すぎることがわかります。
体を整える
ストレッチ、筋トレ、ジョギングも体を整えているのと同じですが、たまにはマッサージや整体も利用すると良いです。自分だけではやりにくいストレッチやトレーニングを行うことができます。
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毎週登っていたら、登山で筋肉痛にならなくなった
これまでストレッチや筋トレを紹介しましたが、登山で使う筋肉は登山で鍛えるのが一番良いです。近場に山がある方や時間の取れる方は、できるだけ山に登ることが最も良い筋肉痛対策でありトレーニングです。
30分程度で登れる山でも十分効果はありますし、何よりも自然の中にいることはストレスの解消にもなります。
日本はどこに住んでいても近場に山があるので、気軽に通える山を見つけましょう。
まとめ
登山に行っても、下りで膝を痛めたり、筋肉痛になったりして体を痛めてしまうと、せっかくの登山の楽しみも半減してしまいますよね。
また、山行の長い山には行けないなど、登れる山も制限されてしまいます。無理に登山を行えば遭難の危険性も高くなります。
ストレッチやトレーニングは面倒ですが、行えば登山の時のみならず、日常生活でもプラスに働くので、デメリットはほとんどありません。
毎日少しで良いので体を動かすことを意識して、登山時に筋肉痛になりにくい体を手に入れましょう!
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