先に結論を言います。登山では、レインウェアは必要です。
ただし、高いゴアテックスや本格的なアルプス用モデルが毎回必要なわけではありません。ここを混ぜると判断を間違えます。
「高いレインウェアはいらない場合がある」は正しいです。

「レインウェア自体がいらない」は、かなり危ないです
私も初心者の頃、晴れ予報の日にレインウェアをザックへ入れるのが面倒で、玄関で手が止まったことがあります。
ザックの中で一度も使わずに帰る日も多い。そうなると、これ本当にいるのかと思うんですよね。
でも山では、使わなかった装備が無駄とは限りません。レインウェアは雨だけでなく、風と冷えから体を守る保険です。
この記事では、レインウェアを持たない判断が成立しそうな条件と、持たないと危ない条件を分けます。安く済ませたい人向けの考え方も書きます。
安く揃えたい人は、まず安い登山用レインウェアのおすすめ記事へ。長く使う1着を選びたい人は、登山レインウェア比較やストームクルーザーの記事も確認してみてください。
登山でレインウェアを持たなくてよい可能性がある条件

レインウェアを持たなくてよい可能性があるのは、登山というより「街歩きに近い低山ハイク」です。
条件はかなり狭いです。
| 条件 | レインウェアなしを考えられるか | 理由 |
| 30-60分で下山できる整備路 | 場合により可 | すぐ撤退できる |
| ロープウェイや舗装路が近い観光地 | 場合により可 | 雨宿りや撤退手段がある |
| 真夏の街近郊ハイキング | 条件付き | 低体温より熱中症管理が主になる |
| 初めて行く山 | 不可 | 地形と撤退先が読めない |
| 標高1000m以上の山 | 不可 | 気温と風の変化が大きい |
| 稜線歩きがある山 | 不可 | 風雨を受けやすい |
| 行動時間が3時間以上 | 不可 | 天候変化と疲労の影響が増える |
| 春・秋・冬の山 | 不可 | 濡れと風で冷えやすい |
ポイントは、雨が降るかどうかだけで判断しないことです。
すぐ下山できるか。風を避けられるか。濡れた後に体を温め直せるか。ここまで見ます。
「晴れ予報だからいらない」では足りません。
晴れ予報でも、山頂付近だけ雲に入ることがあります。
樹林帯では暑かったのに、稜線に出た瞬間に風で汗が冷えることもあります。

私は夏山で、汗で濡れたシャツに風が当たり、休憩中に腕をさすったことがあります。雨が降っていないのに冷えました。
だから、初心者は持つ。初めての山も持つ。迷ったら持つ。
削るなら、レインウェアそのものではなく「価格」「重量」「高機能すぎるスペック」です。
登山でレインウェアが必要な理由
レインウェアは、雨具であり、防風着であり、非常時の防寒着です。
ここを雨具だけで考えると、「晴れならいらない」となります。
山ではそれが危ないのです。
雨で服が濡れると体温を奪われる
服が濡れると、体が冷えます。
夏でも冷えます。標高が上がれば気温は下がり、風が吹けば体感温度も下がります。
低体温症という言葉を聞くと、冬山の話に見えるかもしれません。

真夏の8月でも低体温症からの遭難例はあるのです
でも、雨、風、疲労、空腹が重なると、夏山でも起きます。行動食を食べる手が止まり、ザックから上着を出すのも面倒になる。そうなる前に、濡れないことが大事です。
風で冷える
レインウェアは風を止めます。
これがかなり大きいです。
樹林帯では暑いくらいだったのに、尾根に出た瞬間に風が抜ける。汗をかいたシャツの上から風が当たると、体の表面だけ急に冷えます。
雨が降っていなくても、風が強い場所ではレインウェアが防寒具になります。
私は休憩で5分止まっただけで、首の後ろが冷えてきたことがあります。歩いている時は平気でも、止まると冷える。登山ではよくあります。
汗冷えも起きる
安いビニールカッパを着ると、雨は防げても中が蒸れます。
汗が逃げず、服の内側が濡れる。外から濡れていないのに、結局体が冷えることがあります。
登山用レインウェアでよく言われる「防水透湿性」は、このための機能です。雨を防ぎながら、内側の湿気を逃がす。完全に蒸れないわけではありませんが、ビニールカッパより体を冷やしにくいです。
下山が遅れると危ない
登山では、予定どおりに下山できないことがあります。
道を間違える。足をひねる。同行者のペースが落ちる。写真を撮りすぎて遅れる。低山でも普通に起きます。
1時間遅れた時に雨が降ると、持っていない装備の差が出ます。
レインウェアは「雨が降ったら着るもの」ではなく、「予定が崩れた時に体温を守るもの」です。
傘・ポンチョ・ウィンドシェルで代用できるか
代用品で済ませられる場面もあります。
ただし、完全な代替ではありません。
| 代用品 | 使える場面 | 限界 |
| 傘 | 林道、舗装路、風が弱い観光地 | 両手がふさがる、風に弱い、岩場や急坂に不向き |
| ポンチョ | 平坦な道、短時間の雨 | 風であおられる、足元が見にくい、稜線に弱い |
| ウィンドシェル | 晴天の防風、短時間の冷え対策 | 防水ではないものが多く、雨具にはならない |
| コンビニカッパ | 緊急の街歩き、短時間 | 蒸れる、破れやすい、登山動作に合いにくい |
| 登山用レインウェア | 低山から高山まで | 価格が高く、蒸れゼロではない |
傘は悪ではありません。
林道歩きやキャンプ場周辺なら便利です。暑い時期の短い雨なら、傘の方が蒸れにくいこともあります。

屋久島登山では、登山ガイドの人も傘を持ってるよ
でも、登山道では手を使います。濡れた木の根、岩、急な下り。片手がふさがるだけで怖い場面があります。
ポンチョも、平坦な道なら使えます。ただ、風でふくらんだ瞬間に足元が見えにくくなる。ザックごと覆える利点はありますが、稜線や強風では向きません。
ウィンドシェルは防風着です。雨具ではありません。
小雨を少し弾くものもありますが、本降りで体を濡らさない装備としては見ない方がいいです。
登山レインウェアは上だけでいいか
低山の日帰りなら、上だけで済ませたくなります。
気持ちはわかります。レインパンツは使う頻度が少ないし、履くのも面倒です。
でも、雨の中を歩くならパンツも必要です。
下半身が濡れると、靴下まで濡れます。靴下が濡れると足が冷え、靴擦れも起きやすくなります。下山の最後1時間で足が冷えてくると、歩幅が小さくなります。
レインパンツを毎回履く必要はありません。
ただし、ザックには入れておきたい。特に行動時間3時間以上、標高差がある山、春秋の山、山頂で休憩する予定がある山では上下を持ちます。
「上だけでいい」は、短時間の小雨やすぐ下山できる場所に限る判断です。
高いゴアテックスはいらない人・必要な人
ここが一番混ざりやすいところです。
登山でレインウェアは必要です。でも、高いゴアテックスが全員に必要なわけではありません。
| 山行タイプ | 高いモデルの必要性 | 考え方 |
| 近場の低山、短時間 | 低い | 安い登山向けモデルでも検討可 |
| 夏の日帰り登山 | 中 | 蒸れにくさと軽さを見る |
| 富士登山、標高の高い山 | 高い | 風雨と冷えに備える |
| 小屋泊・縦走 | 高い | 長時間の雨でも耐える必要がある |
| 秋冬・残雪期 | 高い | 防風性と耐久性も必要 |
低山だけなら、最初から5万円のレインウェアを買わなくてもいいです。
その代わり、上下セパレート、防水性、フード調整、動きやすさは見てください。
安く済ませたい人は、安い登山用レインウェアの選び方を先に見た方が失敗しにくいです。
蒸れにくさや用途別の比較まで見たい人は、透湿性レインウェアの比較記事へ進むと選びやすくなります。
ゴアテックスが必要か迷う人は、ゴアテックスのレインウェア記事で判断すると良いです。
レインウェアを持たないより、軽くして持つ
荷物を減らしたいなら、レインウェアを抜くより、軽いものを選ぶ方が安全です。
たとえば、近場の低山では重厚なハードシェルでなくても、軽めの上下レインウェアで足りることがあります。ザックの奥ではなく、すぐ出せる場所に入れるだけでも使いやすくなります。
私が一番やって失敗したのは、レインウェアを持っていたのにザックの底に入れていたことです。
雨が降り始めても、出すのが面倒で5分粘る。10分粘る。気づいたら肩と袖が濡れている。持っているのに使えない位置に入れていたら、半分持っていないのと同じです。
レインウェアは、雨が降ってから探す装備ではありません。
空が暗くなったら出せる位置に入れる。稜線に出る前に着る。休憩で冷える前に羽織る。この使い方が大事です。
まとめ
登山でレインウェアはいらないのか。
答えは、基本的に必要です。
例外は、30-60分で下山できる整備路、観光地に近い低山、撤退手段が明確な短時間ハイクくらいです。初めての山、標高の高い山、稜線、春秋冬、行動時間3時間以上の山では持ってください。
ただし、高級レインウェアが毎回必要なわけではありません。
低山中心なら、安い登山向けモデルから選ぶ手もあります。大事なのは、雨具を抜くことではなく、自分の山行に合う最低ラインを見つけることです。
迷ったら持つ。
使わなかったら、それでいいです。ザックの中で出番がなかったレインウェアは、無駄だった装備ではなく、危ない日にならなかった証拠です。
安く揃えたい人は、まず安い登山用レインウェアのおすすめ記事へ。長く使う1着を選びたい人は、登山レインウェア比較やストームクルーザーの記事も確認してみてください。


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