高校2年生の夏、槍ヶ岳の山小屋でアルバイトをしました。
今回は山小屋アルバイトの実態について、体験談を元にご紹介します。
※働いたのは5年ほど前なので、内容は現在と乖離している部分があるかもしれません。
今回は編集部の山小屋バイト経験者に山小屋バイトについて聞いてみました
当時を振り返った体験談をまとめてみました
いつか山小屋でバイトしたいという方は参考にしてみてください
山小屋で働いてみようと思ったきっかけ
山小屋で働くきっかけになったのは、高校時代の登山部OBからのお誘いでした。
私は高校時代、登山部に所属していました。
登山部OBの1人が槍ヶ岳の山小屋でアルバイトをしていた経験があり、毎年募集に来ていました。
山小屋のアルバイトには興味があったため、高校2年生のときに、登山部内の友達2人と一緒にアルバイトをすることになりました。
山小屋アルバイトの期間
山小屋アルバイトの期間は、学校の夏休み期間です。
正確な日数は覚えていないのですが、約1ヶ月くらいアルバイトを行いました。
山小屋の実態
山小屋でのお風呂
お風呂は1週間に1度のペースでした。
水道は通っていないので、溜まった雨水を使って、頭や体を洗っていました。
槍ヶ岳ほど標高が高い場所の小屋だと従業員用のお風呂もないんですね。
これはなかなか大変そうです。
山小屋での人間関係
一緒に働いている先輩や同僚はどんな方でしたか?
何人くらいだったかとか気になります。
男性が2人と女性が1人です。男性は35歳くらいの方と60歳くらいで、女性は26歳くらいです。
優しく、おもしろい方々で、アルバイト期間中は笑顔が絶えませんでした。
女性の方は、とても美味しいパンケーキやクッキーなどを作ってくれました。
山小屋でのスマホ・通信状況
ドコモのみ通常の電波が届いています。
山小屋内には、スタッフのみが使用できるWi-Fiがありました。
そのため、YouTubeやNetflixなども見ることができます。
テレビも見ることができるので、当時、スタッフ全員でオリンピックを見て盛り上がっていました。
スタッフが使用できるwifiがあるのは知らなかったです。
自由時間にスマホが使えないとストレスになる方も多いので、これは嬉しいですね。
>>【ドコモ回線】登山好き・通信料が多いなら「アハモ(ahamo)」一択である理由
山小屋バイトでの仕事内容はきつい?
男女で仕事が分けられていたり、年齢や役職で仕事が違ったりするんでしょうか?
多少は異なりますが、ある程度は同じでした。
ほかの山小屋との無線連絡や、ヘリコプターでの荷下ろし作業などは、経験のある方々がされてました。
仕事内容はきつくなく、むしろ、このまま就職しようかと迷うくらい楽しかったです!
定年後(60歳以降)に山小屋バイトってどうなの?
山小屋バイトを60歳以降にしたいという方も良く聞くのですが、
そういった挑戦はありでしょうか?
体験から素直な意見を知りたいです。
めちゃくちゃありだと思います!実際に私のアルバイト先では60歳くらいの方が小屋長を務めてました。
定年後に山小屋で働きたいと思っているなら、挑戦する価値は大いにあると思います。
アルバイト開始までの流れ
私の場合は、登山部OBの方が、アルバイト先と私たちの間に入って連絡をしてくれていました。
OBさんから誘ってもらって、履歴書をアルバイト先に郵便で送付。
そのあと移動手段の領収書を送付しました。
OB紹介ということもあり、とくに面談はありませんでした。
山小屋での一日のスケジュール
5時00分:起床
30分:出勤
6時00分:宿泊者に朝食を提供
15分:スタッフ朝食
7時00分:朝食片付け
8時00分:宿泊部屋の掃除・ストーブの灯油補充
9時00分:テント地のゴミ拾いと布団干し
これ以降は、自由時間です。
登山客の来訪によって随時対応していました。
夜は20時くらいに消灯します。
山小屋バイトの忙しさ
山小屋の人気度によって、忙しさは異なるため一概には忙しいといえません。
私のアルバイト先は、槍ヶ岳の山頂付近にありましたが、300mくらい先にもう一つ山小屋がありました。
その山小屋がもっとも山頂にちかく、大きいため、多くの登山者はそちらに向かいます。
宿泊者が満員だったときに、私のアルバイトしていた山小屋に宿泊しにくるという感じでした。
そのため、私のところはあまり忙しくありませんでしたが、もう一方の山小屋は忙しいのではないかと推測できます。
山小屋バイトの食事
朝食は宿泊者に提供するものと変わりません。
昼・夕食はスタッフ用に支給されているものを食べました。
冷凍食品がメインですが、生野菜やパンなどもありました。
休日の過ごし方
休日は槍ヶ岳に登ったり、付近で雷鳥を探したりしていました。
しかし、1日中山小屋にいるので、休日という感じはしません。
とはいっても、勤務は朝がメインで昼過ぎからはほとんどやることないので、疲労がまったくたまりません。
毎日が休日のような感じです。
山小屋バイトの給料
私は約1ヶ月で20万円でした。
この中には交通費も含まれているので、山小屋だけで15万円くらいです。
交通費までしっかり支給してくれるのは嬉しいですね。
このあたりは小屋によっても異なりそうです。
山小屋バイトがおすすめできない点
お風呂に毎日入りたい、パンツや靴下を取り替えないのは嫌だ、というひとにはおすすめできません。
山小屋に洗濯機はありますが、使用できる水の量が限られているので、1週間に1度くらいしか洗濯できません。
髪の毛を洗ったり、体を洗ったりするのも同じくらいの頻度です。
そのため「3日くらい同じ服」「数日お風呂入らない」といったことに耐えられない方はやめたほうがいいでしょう。
山小屋バイトで辛かったこと
一番辛かったのは、登山と下山です。
朝4時くらいに登山を開始し、夜19時に槍ヶ岳の山頂付近に到達しました。
1日で槍ヶ岳を登り切ったので、足が小鹿のようでした。
下山は、朝5時に燕岳方面に向かって出発し、1日で縦走下山しました。
アルバイト中に辛いと感じたことはありませんでしたが、3,000m級の山の登山と下山を、それぞれ1日で行うのはかなり辛かったです。
槍ヶ岳の山頂付近の小屋まで1日で辿り着くのはかなり大変そうです。
場所が遠い小屋で働くときはアクセスには注意ですね。
下山して真っ先にしたこと
下山後は、真っ先に温泉にはいりました。
アルバイト中にお風呂に入ったのは3回だけ。
それ加えて、下山でたくさん汗をかいたので、最高のお風呂でした。
友達と1時間半以上、お風呂に浸かりました。
山小屋バイトがおすすめな点
山が好き、山小屋で働いてみたい、と思っている方はおすすめです。
毎日、澄んだ空気の中で過ごすことができ、日の出を拝むことができます。
私はほぼ毎朝、槍ヶ岳と日の出、雲海をみていました。
好きな山があるなら、一度そこの山小屋で働いてみると、新しい発見があるかもしれません。
山小屋バイトで学んだこと
山小屋バイトで、山小屋の実態と登山客への配慮を学びました。
多くの登山客と関わったり、山小屋の運営を学んだことで、登山の楽しみ方が増えました。
これを聞いて私もこんな青春を送りたかったと思いました。
山小屋でのバイトはなかなかできない貴重な経験ですね。
まとめ
今回は槍ヶ岳の山小屋でのアルバイト経験について紹介しました。
5年くらい前のことなので、現在とは乖離している部分があるかもしれませんが、山小屋のアルバイトをしたいと思っている方の参考になれば幸いです。
「山が好き」、「山小屋で働いてみたい」そんな方は、1度でも山小屋でのアルバイトを経験しておくと、登山の楽しみ方が増えて新しい発見があるかもしれません。
山小屋で働いてみたいと思うなら、挑戦することを強くおすすめします。
あなたの登山ライフがよりよいものになりますように。
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