雪山を安全に登るならぜひとも雪山用の登山靴を用意しましょう。
一番注意しなければならないことは、中途半端なものを選ぶと後で買いなおすことになるということです。
冬山を登るくらい登山をしている人なら、近い未来ではもっと登りたいと思うはず。
確かに自分が冬山に興味を持つなんて、
登山を始めたときは考えたことなかったな
とはいいえ、最強の登山靴は価格も驚くほど高いので、人気の定番登山靴から選ぶと良いでしょう。
この記事の結論
1足で買い替えを減らすなら、以下がおすすめ
・超人気の定番靴「ネパールエボGTX」
・国内の雪山登山最強は「ガッシャブルム」
・初級の山までなら「トランゴタワーGTX」や3シーズン靴
雪がほとんどない低山しか登らないなら、
サロモンの「X ULTRA MID WINTER」一択です。
主要な雪山登山靴の半額近い2万円代で購入できるよ
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もっと詳しく知りたい方は本文をお読みください。
商品名 | メーカー | 種別 | タイプ | アイゼン |
ネパールエボGTX | スポルティバ | アルパイン | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ |
ガッシャブルム G5 | スポルティバ | アルパイン | ゲイター内蔵 | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ |
モンブランプロGTX | スカルパ | アルパイン | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ |
ファントムテック | スカルパ | アルパイン | ゲイター内蔵 | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ |
トランゴタワーGTX | スポルティバ | ライトアルパイン | シングル | ストラップ、セミワンタッチ |
アルプエボGTX | スポルティバ | ライトアルパイン | シングル | ストラップ、セミワンタッチ |
ケントハイGTX | マムート | ライトアルパイン | シングル | ストラップ、セミワンタッチ |
アルパインエクスパートⅡ | ローバー | アルパイン | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ |
アルパインクルーザー3000 | モンベル | アルパイン | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ |
冬山登山靴があると何が変わる?
雪山の景色は日常と大きく離れています。
冬山登山靴があれば、こんな景色が見られます。
一面の雪景色に自分の足跡をつけながら進むのは、夏山とは違った感覚が味わえます。
冬山登山靴の特徴と3シーズン登山靴との違い
一番の違いは暖かさです。冬用登山靴には断熱材、保温材が使われているものが多く、肌触りから暖かさを感じます。
3シーズン用登山靴で雪山に行くと、つま先が冷たくて辛いこともしばしばあります。
もう1点、靴の底につけるアイゼン(セミワンタッチ・ワンタッチ)が着用できます。
アイゼンって何?という方は、「登山用アイゼン(クランポン)の選び方やおすすめモデル」をご覧ください。
何でこの説明をするかというと、アイゼンを先に購入している方は、アイゼンに合わせて登山靴を選ぶ必要があるからです。
靴の前後にあるでっぱりのことなんだね
そうです。アイゼンを取り付ける金具が当たる部分になります
かかと部分のでっぱり(コバ)がある靴はセミワンタッチ、かかと部分だけでなく、つま先部分にもでっぱり(コバ)がある靴はワンタッチアイゼンが使用できます。
補足としてコバがない登山靴靴もストラップタイプのアイゼンなら使用できます。
先にアイゼンを購入済の方は、アイゼンに合わせて靴を選ぶ必要がある点に注意しましょう。
アイゼンの着脱の容易さは、ワンタッチ>セミワンタッチ>ストラップなので、めんどくさがりの方にはワンタッチがおすすめです。
個人的には、靴は夏用と冬用をはっきり分けるのをオススメしています。
幅広く使用しようと思うと、中途半端になりがちですなので、器用貧乏になります。
厳冬期用と夏用(縦走用・日帰り用)とするのがベストです。
とはいえ、いきなり高い冬山はちょっとという方は、ライトアルパインモデル(4シーズン用登山靴)を選択しても良いと思います。
ちなみに、お試しで雪山装備を使いたい人は、レンタルも有効な手段です。
1回だけじゃなくて何回も使うなら最初から買った方がお得なので、2回以上使う予定があるなら購入を検討した方が良いでしょう。
レンタル
冬用登山靴
アイゼン(12本爪)
厳冬期向けの登山靴の選び方
登山暦が長くなると登山靴は、もっともっと増えていきます。
理想はライトアルパインモデルとアルパインモデルを1足ずつが良いです。
実際問題、初めての雪山登山で両方そろえるなんて無理です。
対応できる範囲の広いアルパインモデルがおすすめです。
少しでも本格的な雪山登山をする可能性があるなら、アルパインモデルを選ぶのがおすすめです。
よくある失敗として、ライトアルパインモデルを買ってしばらくしてから、本格的な雪山登山にハマって登山靴を買いなおすことになったということがあります。
たいていの人は登山を始めるときに雪山登山を将来的にしたいとは考えていないはずです。
本格雪山登山に興味がわいたときにあなたの挑戦を妨げないよう、アルパインモデルを選択しましょう。
厳冬期登山靴の種類
アルパインモデルの中でも種類分けをすると3種類の靴があります。
・耐久性が高く安いシングルブーツ
・インナーが取り外せる保温性の高い2重構造靴
・ゲイター一体型のハイエンドモデル
1つは、シングルブーツと呼ばれるシンプルな構成の登山靴です。
夏用の登山靴との差異も少なく、価格が安いものが多く、シンプルな構成なので耐久性は高めです。
2つ目は、ダブルブーツと呼ばれるインナーが取り外せて乾かすことが容易なモデルです。
値段は高く、重さも重くなりますが、インナーとアウターとの間に空気の層ができるのでより保温性も高くなります。
3つ目は、ゲイター一体型の登山靴で、より雪が入りにくく、耐久性が高いモデルとなります。当然値段もぐーんと上がります。
初心者には価格が安く耐久性が高いシングルブーツから選ぶと良いでしょう。
画像 | 種別 | メーカー | 商品 | タイプ | アイゼン |
---|---|---|---|---|---|
アルパイン | スポルティバ | ネパールエボGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ | |
アルパイン | スポルティバ | ガッシャブルム G5 | ゲイター内蔵 | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ | |
アルパイン | スカルパ | モンブランプロGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ | |
アルパイン | ノースフェイス | ヴェルトS6K | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ | |
アルパイン | モンベル | アルパインクルーザー3000 | シングル | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ | |
アルパイン | スカルパ | ファントムテック | ゲイター内蔵 | ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ | |
ライトアルパイン | スポルティバ | トランゴタワーGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ | |
ライトアルパイン | スポルティバ | アルプエボGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ | |
ライトアルパイン | スカルパ | ミラージュGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ | |
ライトアルパイン | スカルパ | トリオレプロGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ | |
ライトアルパイン | マムート | ケントハイGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ | |
ライトアルパイン | スカルパ | シャルモプロGTX | シングル | ストラップ、セミワンタッチ |
おすすめの厳冬期登山靴
メーカー別 冬靴(積雪がある2000m以上で使えるか)早見表
メーカー名 | 主な冬靴 | おすすめできるか | 備考 |
スポルティバ | ネパールエボ GTX ネパールキューブ ガッシャブルム など豊富 | ◎ | |
スカルパ | ファントムシリーズ モンブランシリーズ、 マンタテックGTX など豊富 | ◎ | |
マムート | ノードワンドシリーズ ゲイター付きのタイスプロ。 | △ | どれも良い靴ですが、10万円以上の高級品でやや割高 |
ノースフェイス | 現行品なし | × | 昔はヴェルトs6kが良かった |
コロンビア キャラバン マインドル | なし | × | |
ザンバラン | ブレンヴァ アイガーなど | ◎ | |
モンベル | アルパインクルーザー など標高ごとに用意されている | ◎ | |
ローバー | アルパインシリーズ ラインナップが豊富 | ◎ | |
シリオ | F.731 | 〇 | 保温材の入ったモデルとしてはとても軽い |
安心感重視のスポルティパ:ネパールエボGTX
スポルティパ:ネパール エボ GTX 900g
対応アイゼン:ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ (前後コバあり)
靴タイプ:シングル
定番中の定番という超ロングセラーの大人気雪山登山靴です。
価格が高めというデメリットはありますが、無駄な隙間の少ない高いフィット感のある登山靴です。
長期間ロングセラーという安心感があるので、失敗をしたくないという方からの評価が高いです。
そのため、迷ったら選ぶたい初心者に特におすすめのモデルです。
>>安定感のある雪山登山靴なら、スポルティバ:ネパールエボGTXがベストな理由
価格が上がっても軽さを優先したい人だけ、
軽量化上位モデルのネパールキューブを選べばok
ゲイター一体型のハイエンドモデル スポルティバ:ガッシャブルムG5・G2
海外の高山にも対応できるハイモデル
ダイヤル式で締め付けを片手で調節できるのは凄いです。
雪山登山靴は保温性能に後悔するケースが多いですが、こちらを選べば問題ありません。
但し価格の高さがあるのと、軽さは最強とは言えないので、その点は注意しましょう。
細かい部分は下記記事にまとめています。
将来的に海外の山にも登りたい人以外は、
定番モデルのネパールエボGTX・ネパールキューブの方がおすすめ
>>【厳冬期】登山ブログが伝える最強の冬山登山靴は、スポルティバG5・G2(ガッシャブルム)
冬季縦走もクライミングにも対応するスカルパ:モンブランプロ GTX
スカルパ:モンブランプロ GTX 910g
対応アイゼン:ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ (前後コバあり)
靴タイプ:シングル
スカルパのモンブランプロGTXは、軽さや履き心地と保温性のバランスの取れた雪山登山靴です。
防水性に優れたゲイター(スパッツ)が雪の侵入を防いでくれるので、保温性の評価が高いモデルになります。
5万円代と比較的安価なこともあり、夏用登山靴にスカルパを使用していた人には間違いなくおすすめできます。
>>冬期縦走にも対応できる雪山登山靴のスカルパ:モンブランプロ GTX
女性用はこちら
ローバー:アルパインエクスパートⅡ
市場に出回っているのはスポルティバやスカルパが多いが、近年勢いを増しているのがローバーの登山靴。
特に初心者でも動きやすいため、雪山初心者から多く求められています。保温能力は他社の上級モデルと変わらない実力。
コスパに優れたモンベル:アルパインクルーザー3000
モンベル:アルパインクルーザー 3000 910g
対応アイゼン:ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ (前後コバあり)
靴タイプ:シングル
比較的安価な雪山登山靴としてモンベルの登山靴も人気です。
ただ数字の意味や選び方がわかりにくいので、以下にまとめました。
>>【雪山登山靴】モンベル:アルパインクルーザーの2300・2500・3000は、コスパに優れた人気モデル
ゲイター一体型のハイエンドモデル スカルパ ファントムテック
高価格のゲイター一体型モデルです。
スポルティバやマムートに比べて安くなっていることが多いのでねらい目です。
マムート:ノードワンドシリーズやタイスプロ
マムートの冬靴はどれも10万超えが相場で楽天でしか出品がないことが多いです。
とても良い靴ではあるのですが、入手難易度と価格高騰の背景があるので、
どうしてもスカルパやスポルティバの靴と比べるとおすすめ度は下がります
靴にハイソックスがくっついたような見た目が特徴的なノードワンドシリーズ。
最先端の3Dニット採用で厳しい環境の雪山で足を徹底的に守ります。
ニット ハイは氷点下30 °Cまで断熱性を発揮。
一方のノードワンド 6000 ハイは2-in-1ゲイターブーツで、インナーブーツの取り外しが可能なタイプです。
こちらは断熱性は氷点下35度です。
重さ:790 g(Nordwand Knit High GTX) / 990 g(Nordwand 6000 High)
カット:ハイカット
防水性:あり
タイプ:ウィンター(雪山登山用)
タイスプロはゲイター付きの雪山登山靴です。
雪山登山用のブーツの中でも軽量化素材が使われています
重さ:630 g
カット:ハイカット
防水性:あり
タイプ:ウィンター(雪山登山用)
スポルティバ:トランゴタワーGTX
耐久性、軽量性が高く、同社の「トランゴSエボ」の上位モデルとなっています。
4シーズンモデルなので、厳冬期用としてはやや性能不足ですが、低山しか行かない人はオールシーズンを使いまわす使い方でも対応できます。
>>登山靴にスポルティバ トランゴタワーGTXを選ぶメリット (縦走や岩稜歩きから残雪期の冬山まで)
マムート:ケントハイGTX 624g
対応アイゼン:ストラップ
こちらは旧モデルになってしまったので、在庫がほぼない。
価格高騰ぎみなので、避けた方が良いです
まずは初めての雪山にという方は、 スカルパ:ミラージュGTX 760g がおすすめです。
スポルティパ:トランゴ アルプ エボ GTX
スポルティパ:トランゴ アルプ エボ GTX 725g
対応アイゼン:ストラップ、セミワンタッチ (後ろコバのみ)
>>初めての雪山登山靴にスポルティバ:トランゴ アルプ エボ GTXを選ぶメリット・デメリット
滑落の危険性がない2000m以下の山しかいかないなら、
2万円代で購入できるサロモンの登山靴も1つの案です。
雪山登山を続けるかわからないなら、
安価なものから試すのも良さそうだね
コスパの高いノースフェイス:VERTO S6K GLA ヴェルト S6K グレイシア
THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス):
VERTO S6K GLA ヴェルト S6K グレイシア 905g
対応アイゼン:ストラップ、セミワンタッチ、ワンタッチ (前後コバあり)
靴タイプ:シングル
ワンタッチアイゼンが使いたいなら、このモデルもおすすめです。
私自身、 THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス):
ヴェルト S6Kを気に入っていて、暖かく、快適な冬登山が楽しめています。
ただ人によってはアイゼンとの相性が悪く感じる人もいるので、万人におすすめできるモデルでないということは注意してください。
実際に使用した感想は下記にまとめています。
おすすめ度は、これまで紹介したネパールエボやモンブランプロの方が高いです。
冬山登山を始めて、夏には見ることのできない景色へ
冬山登山は虫はいないし、暑さにうんざりすることもない
夏山登山とは違った世界を見せてくれます。
ぜひ冬山に行きましょう。もちろん安全対策をバッチリして!
登山靴総集編はこちら
関連ページ
・日帰り登山靴
・縦走・テント泊の登山靴
・雪山登山靴 (このページです)
その他アクティビティ
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・ボルダリングの靴
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