バックカントリーは、雪山という大自然の中でスキー、スノーボードを楽しむアクティブなスポーツです。
ここではバックカントリーの始め方と必要な装備や注意点をご紹介します。
遭難や事故への対策など注意点もまとめていますので、目を通してもらえると嬉しいです。
全くの初心者であれば、まずはスキー場で開催しているツアーに参加してみることをおすすめします。
チェックポイント
・①装備を揃えてまずはスキー場で練習する
・②整備されたコースは余裕になったら、ツアーに参加する
(雪崩対策装備はレンタルでもok)
・➂雪崩対策装備を揃えて訓練する
バックカントリーの魅力
バックカントリーとは自然のままの雪山を滑り楽しむスポーツです。スノーボードやスキーを担いで山を登り、新雪を分け入り滑る楽しさはなかなか味わえません。
その反面、雪崩を招く危険や遭難事故や危険性も多いため、魅力とともに危険性も理解する必要があります。
バックカントリーに必要な装備
バックカントリー三種の神器(ビーコン・プローブ・スノーショベル)という特に重要な道具があります。
バックカントリーはどうしても雪崩の危険性のあるスポーツです。
そのため、雪崩遭遇時に命を救う装備が必要です。
詳しい内容については以下をご覧ください。
雪崩対策道具は、レンタルも価格が安くおすすめ
雪崩対策の3種の神器を揃えると、安くても4万は超えるでしょう。
アウトドアギアレンタルで5000円くらいほどでレンタルできるので、数回しか登山をしないような方は、レンタルも選択肢に上がります。
関連記事:【格安登山】初めての登山や雪山登山では登山用品のレンタルを活用しよう!
長く続けたい方は買った方が良いので、続きをご覧ください。
スキー板・スノーボード
スキー板
スキー板は、フリーツーリング向けの板を選ぶようにしましょう。
ハイクもスキーも楽しむ用の板であれば、使い易いです。
昔は軽いと滑りに安定性がなくなりがちでしたが、最近は軽くても安定性がある板もでてきています。
バックカントリーメインで使うなら幅が100mmが定番です。
上級者は氷結した斜面も考えてもう少し幅が狭めを選ぶこともありますが、初心者なら100mmで良いでしょう。
スノーボード
バックカントリーではおすすめは軽くて取り回しのしやすいパウダーボードがおすすめです。
なぜなら、バックカントリーでは圧雪されておらず、新雪を滑るので、パウダー用のボードを選んでおいた方が滑りやすいのです。
バックカントリーはパウダーをメインに滑るために、山を登って滑り降りますが、
自然の山を滑ることになるのでゲレンデと違い、山の状況が様々です。
本記事では取り回しがしやすくて、パウダーを滑りやすいスノーボードをおすすめしますので、
ぜひボード選びの参考にしてください。
ポール
ポールはバックカントリー向けの伸縮式のモデルがあれば十分です。
スノーボーダーはスノーシューor スプリットボード
スノーボーダーの場合、板を担いで登るか、登りはスキーのように分かれて滑るときには1つにできるスプリットボードのどちらかが選択肢になります。
スプリットボードの方が便利ですが、重いし約8万前後が相場なので、かなり高いです。
バックカントリーのガイドさんはスプリットボードが多いようですが、スキーと同じようなものが必要なので、道具も多くなります。
具体的にはインターフェースが必要になること。スキー同様にクライミングスキンやバインディングが必要になります。
1.スプリットボード本体
2.スキン(シール)
3.バインディング
4.インターフェイス
5.ポール
スノーシューの場合はボードを担いで登る必要があります。
スノーシューの選択についてはこちらをご覧ください。
ビンディング(バインディング)
ブーツとビンディングは、必要な道具の中でも重要度が高いです。
加えてよほど壊れることはないので、長く使うことができます。
ブーツを固定するためのビンディングは、軽くシンプルな機能のものが、初心者におすすめです。
ジーニックは、重量が280gと軽く余計な機能がないので、わかりやすく、初心者向けです。
ブーツ
スキーブーツ
ブーツもフリースタイル向けのモデルがおすすめです。
ウォークモードに切り替えることができ、登攀も対応できます。靴のサイズは店頭で合わせてもらうと良いでしょう。
1500g以下の軽量モデルが楽です。最近は1000gの軽量モデルもあります。
スノーボードブーツ
クライミングスキン(シール)
クライミングスキンは、スキーの板面に張り付けて使用します。
のりで張り付けるグルータイプと張り付けるシリコンタイプの2つがあります。
張り替え頻度の少なさ:シリコン>グルー
低温化での接着力:グルー>シリコン
ザック
バックカントリーでは荷物が大きすぎると滑りにくいので、コンパクトにまとまるザックが使い易いです。
日帰り登山をする方なら30L前後のデイパックをそのまま使っても良いでしょう。
ただしスノーボードの人はザックに固定できる専用タイプの方が圧倒的に快適です。
>>バックカントリー用の軽量コンパクトな日帰りザック(リュック)
雪崩埋没時の生還率を上げるためのビーコン
埋没者の捜索に必要なのがビーコンです。主流は3本アンテナでストラップで身に着けます。
ストラップは本体付属であることがほとんどなので特に意識しなくても良いです。
性能を重視するならマムートのバリーボックス、
とにかく安くしたいならオルトボックスのZOOM+
バックカントリーという荷物を軽くしたいアクティビティでは、マイクロBTが人気です。
その他のビーコンの性能や価格はこちら
アルバEVO4を使った感想はこちら
プローブ(ゾンデ棒)
埋没者を見つけてもプローブがなければ場所を特定することはできません。
実際に友人と複数のビーコンを雪に埋めて宝探しゲームをしてみましたが、
半径50cmくらいまでは簡単に特定できます。
そこから先はプローブを突き刺し、埋没者をさがします。
ビバーク時に積雪の深さを計測することにも使えます。3m以上あれば雪洞がほれます。それ以下であればイグルーというかまくらが作れます。
なので、3m計れるものがおすすめです。
どんなプローブがあるかはこちら
スコップ(スノーショベル)
埋没者を見つけたとき救助するにはスノーショベルが必要です。
それだけでなく、ビバーク用の雪穴を掘るときのも使えます。
雪崩リスクを判断するためのピットチェック(弱層分析)やトラブル発生時のビバークに使われます。
バックカントリーで救助を呼んでもその日のうちにヘリが飛ばなかったというケースは多いので、必ず携行しましょう。
>>【軽さとコンパクトさが重要】バックカントリーのおすすめスノーショベル
その他スノーショベルは以下記事をご覧ください。
ヘルメット
転倒時に頭部を守るためのヘルメットは携行しましょう。
登山用のヘルメットを使っていもいいですが、寒い環境で使うものなので、スキー用の保温性があるモデルがおすすめです。
耳部分が冷たくならないのはありがたいです。
ヘルメットの下にはビーニーと呼ばれるニットキャップを被っておくと寒さを防ぎやすく、ヘルメットも被りやすいです。
スノーシュー
バックカントリーで登る山は、雪の多い山であることがほとんどです。
そのような山はスノーシューがないと上手く登れません。
安くはないですが、長く使えるものなので、ぜひ用意しましょう。
他はともかく、スノーシューについては安物を友人が安物を買って、山で停め具が壊れて困ったので、MSRのスノーシューがおすすめです。
1回だけの使用ならモンベルや石井スポーツでレンタルができるので、活用するのもおすすめです。
関連記事:【格安登山】初めての登山や雪山登山では登山用品のレンタルを活用しよう!
ハードシェル
雪山は寒く、バックカントリーで滑れる稜線沿いは風が強いです。
スキーウェア、ボードウェアは透湿性が低く、登りがあるバックカントリーには向きません。
ハードシェルを用意すれば通常のスキー場での滑走にも使えるので用意しましょう。
防寒着
バックカントリーは行動も多いので、行動時も使用できるフリースか化繊ジャケットから選択すると荷物を少なくできます。
手袋(グローブ)
稜線の風に耐えられるグローブを用意しましょう。できればインナーグローブと2枚重ねにしましょう。
バラクラバ
顔の凍傷を防ぐためにバラクラバかネックウォーマーは必須です。
これに関しては値段による差が出にくいので、安物でも良いかと思います。
ゴーグル
くもりにくいものを選びましょう。目の安全を守ると共に紫外線からも守ります。
その他ゴーグルはこちら
サングラス
残雪期の暑い日など、ゴーグルよりもサングラスの方が快適になるときも少なくありません。
あまりかさばらないので、ゴーグルと共に持っておくと便利です。
サングラスだけを持つときは予備も含めて持っておきましょう。
アイゼン(クランポン)
アイゼンはストラップタイプを選べばスキーやボードの靴でも合わせやすいです。
ツェルト
非常時に雪洞を掘ってビバークする際に役立つツェルトは持つようにしましょう。
遭難や悪天候で下山できなくった際に命を守ります。
ツェルトは各社数多くの商品を出していますが、ファイントラックのツェルト2ロングが圧倒的に使い易いです。
山専用ボトル
小さめのボトルで暖かい飲み物を持っておくと、冷えた時の安心感が違います。
任意 3シーズン用の寝袋
バックカントリーは危険を伴うアクティビティです。
もしものために夏用でもいいから寝袋を持っておくと生存率が上がります。
もちろん、遭難しないようにすることが前提です。出番がないにこしたことはありません。
バックカントリーの注意点
・雪山では天候が違えば危険度が大きく上がります。そのため、天候予測の技術がある程度必要です。
高層天気図と呼ばれる天気図を読み取れると役に立ちますが、それができなくても天気予測サイトを複数比較して予想するのも効果的です。
・雪山では雪崩のリスクがあります。雪崩が発生しやすい条件を理解したり、必要な道具を用意して対策しましょう。
初めてのバックカントリーにオススメの山
初心者がバックカントリーを始めるならまずはゲレンデでどんなコースでも滑れるように練習しましょう。
その後、体験ツアーで経験するとスムーズに上達します。
【初心者向け】北アルプスを駈ける、バックカントリーツアー体験
バックカントリー歴10年以上のガイドが案内してくれるので、初めてでも安心です。
天候等で中止になる場合もありますが、そういった場合は全額返金なので安心です。
レンタル品もあるので、まずはレンタルで試してみるのも良いでしょう。
下記のレンタル品をご用意しております。
・ビーコン、ザック、スノーシュー:各1,000円
・プローブ、ショベル、伸縮性ポール:各500円
・フルセット(ビーコン、ザック、スノーシュー、プローブ、ショベル、伸縮性ポール):3,500円
※スキーヤーの方にポールはつきません。
・スプリットボード:3,000円
・パウダーボード:2,000円
アソビューより引用
集合場所:番亭~bamboo tail~
〒399-9301長野県北安曇郡白馬村北城828-268
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